第4話

「おい!武士」

「蜷川新右衛門・・・」

「おう!新右衛門!」

「せめて年上なんだからさん位付けろや!」

「お、おう・・・すいません、蜷川さん」

「そこは新右衛門さんじゃないの?」

「ごちゃごちゃとうるせえな~まぁいい・・・新右衛門さん」

「クゥ~~~!!」

「如何した変な発作か?」


一休さんに新右衛門さん呼びされた!

なんか感動してしまった。


「お~~い!帰ってこ~い!!」

「あ、すまん・・・ちょっと感動してた」

「はぁ?お前変な性癖とか無いよな?」

「失礼な!!」

「いや・・・まぁいいか・・・それで?」

「ん?」

「お前何かこのこと知っているんだろ?」


意外と鋭い・・・でもな~一休さんが考えて実行するから良いんであって、ネタバレして良いのかこれ?

考えていると周建が更に言葉を募る。


「お前、何か知っているだろ?」

「おま・・・新右衛門さん!!」

「お、おう、新右衛門さん何か知っているよな?」

「な、何のことだかさっぱり解らん」


結局話すこととなる。

それにしても、「俺が何かやらかしたらお前のせいだからな」とか言うのは卑怯だ!!

一休さんの話の中で有名な話の一説を聞かせる。


「ほう!中々やるじゃん、新右衛門!」

「お~悪い悪い、新右衛門さん!」


親指を立てて「ナイス!」と言うようにニカッと笑ってそのまま腕を前に出す。

まぁ、ネタバレしたけどあの名場面を生で観れると思うと興奮する。

代わりに周建に決行日は必ず教えるようにと伝えると、了承したので楽しみである。


決行の日がやって来た!!


「何じゃこりゃ?」


こっそりと木陰より様子を見ると門の前に例の張り紙が貼られている。

その前で首を傾けてそれを眺めて読んでいる久兵衛きゅうべい


「はは~ん!あのクソ小僧の周建だな!」


その張り紙をベロリと剥がして手に持ったまま寺に入って行く久兵衛きゅうべいを後ろからこっそりと着いて行く。

前方に周建が現れた。


「あれあれ?久兵衛きゅうべいさんは張り紙見てないの?」

「あ~これの事か?」


久兵衛きゅうべいは手に持った張り紙を周建に見せる。


「お!ちゃんと読んだんだよね?」

「悪戯も大概にしないと像外ぞうがい和尚が怒るぞ!」

「怒られるのはちょっと・・・」

「はぁ~まぁ面白そうなので付き合ってあげますから悪戯は程々にしなさいな」

「あ~申し訳ない」


え~と・・・見たかった物となんか違う・・・

いや、久兵衛きゅうべいが付き合うと言ったのだからこれからこれから!!


「寺内は仏様を安置する清らかな場所です!!」

「そうだね~その清らかな場所を何時も騒がせている者が居るね」

「・・・」

「周建!ほら続き続き!!」

「おう・・・殺生をして得た皮を着た者が入られますと寺内が穢れますのでお帰りください!」

「今日は暖かいし皮の物は着て来てないよ」

「あ・・・」

「はぁ~まぁ付き合ってあげると言ったから着て来たこととしましょうか」


凄い何か違う感が止まることを知らない・・・

久兵衛きゅうべいに大人の対応されてあしらわれてるよ、おい!


「あざ~す・・・それじゃあ久兵衛きゅうべいさんが皮の外套がいとうを着ているという事で」


何かコント見ている気分になって来た!!

これはこれで・・・面白いかも?


「それで?次に何を言えばいいのかい?」

「え~と、それは異なことを言いますね~皮なら太鼓にも張ってあるでしょ?でおなしゃ~す!」

「お!確かに!太鼓は皮!おっと、それは異なことを言いますね~皮なら太鼓にも張ってあるでしょ?これでいいかい?」

「あざ~す!!では、太鼓が良いなら私も良いですね!では、入らせて頂きますよ、でおなしゃ~す!」

「太鼓が良いなら私も良いですね!では、入らせて頂きますよ」

「お待ちください!入られるとで叩きますよ!」

「お!成程~太鼓の皮は毎日が当たっている!皮を着た者も入るとばちが当る!うまい!!」


あ~おいおい、久兵衛きゅうべいにオチ言われたよ・・・


「周建!中々考えましたね!面白いので今日の悪戯は見逃してあげましょう!!」

「ア~ソウデスネ・・・アリガトウゴザイマス・・・」


違う意味で面白かった!

しかし、周建の目が座っているな・・・


「おい!蜷川新右衛門!!居るんだろ?出て来いやーー!!」


あ~やべ・・・怒ってる怒ってる・・・私はそっとその場を離れたが遠くで周建の私を罵倒する声が聞こえて来るが気のせいだ・・・


〇~~~~~~〇


有名な一休さんの頓智話の一つですが知らない方の為に本当の流れを下記に。


「皮をつけたものは寺に入るべからず。入ればばちあたるべし」と張り紙がしてありました。

久兵衛は、「どうせ周建の悪戯だな、何か言ってきたら逆にやりこめてやろう」的に思い寺内に入って来ました。

すると案の定、周建が出てきて、「張り紙はご覧になられましたか?」と言う。

久兵衛は「はいはい、見ましたよ」と言い返す。

周建がそれに対し「お寺は仏様が居られる清らかなところ。殺生をした毛皮を着た人に入られると穢れますのでお帰り下さい」と言う。

久兵衛は「それはおかしい、本堂にある、太鼓は皮が張ってあるだろ?太鼓がいいなら私もいいはずだよね」と言います。

周建は久兵衛が寺内に入るのを呼び止めます。

そして、「奥へ入ると叩きますよ」と言う。

久兵衛は呆れて「それは無茶な」と言う。

周建は「本堂の太鼓は皮が張ってあるので、毎日ばちで叩かれいます。同じ様に叩かれても良いならお入りください」

それを聞いた久兵衛が「参った!今回は帰ります」と言って周建の頓智にしてやられると言う話です。

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ファンキー・モンキー・一休さん!!~新右衛門さんの受難~(仮) 生虎 @221t2

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