第一章

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 私、宮部みやべ早杜さとは、傍から見れば、ただの女子高生だ。


 両親は、幼い頃に亡くなった。それ以来、両親が残してくれた家に、母の代わりとして心優しい祖母と一緒に住んでいる。そんな祖母はしばらく体調を崩して入院しているため、今は一人だ。


 友達は少ない。多少なりとも私が変わっていると思われているからかもしれない。


 そう、私は


 私は、常人には見ることができない存在を感知することができる。


 誰かを強く恨みながら命を失い、その恨みが自身をこの世に縛り付けた者。

 

 死後も誰かを守るため、この世に留まると決めた者。

 

 死してなお、自身の死を受け入れることができず、この世をさまよい続ける者。

 

 当然、彼らは常に孤独だ。生きている人間とは一切、意思疎通を図ることはできないのだから。彼らはこの世をさまよい続けるうちに、やがて私のような人間のもとにたどり着くことがある。

 

 常人に悪影響を与えることは極めて稀だ。彼らの感情が高ぶったとき、周囲の人間に不幸として、よくないことが起きることはあるが。

 

 誰も、そんな私を理解してくれることはなかった。言葉では寄り添ってくれていても、私が無意識に亡霊に反応してしまえばしまうほど、次第に私の元から離れていく。


 できるだけ、誰にも迷惑はかけたくない。


 それが、私の願いだ。

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