<予告>アラン=ジグラード 編

 これからどうしようか、と考えた時、前に侍女から聞いた話を思い出した。


(……そうだ!

 確か今日は、私の誕生日を祝って、各国の商人達が来ている筈。

 市場に行けば、何か面白い物が見れるかも)


 ――市場へ向かった私は、城の兵士に捕まりそうになったところを、一人の赤い髪の青年に助けられる。

 ――アイリス姫(私)を捜しているという彼のことが気になり、私は、彼について行くことに決めた。


「んじゃ、ちょっとこの辺を案内してくれよ」


「……は?」


「お礼。あんた見たところ、この国の人間みたいだし。

 それくらい、安いもんだろ?」


「そ、それはそうですけど……」


「よし、じゃあ決まり!

 早速、行くか♪」


「あっ、でも私、先を急いで……」


「こんな 〝めでたい〟 日、楽しまなきゃ損だぜ」


 ――とにかく何でも楽しもうとするアラン。

 ――そんな彼と一緒に居るのは、とても楽しくて……


「よし、じゃあ賭けるか?」


「賭け?」


「そうだなぁ~、お嬢ちゃんから金をせびってもなぁ。

 んー……じゃ、ここは、負けた方が勝った方の命令を何でも聞くってことで」


「面白そうね♪

 いいわよ。負けないんだから。

 ……ふふふ」


「ん、どうした?」


「あなたにかかったら、どんな事でも遊びになっちゃうのね」


「まーな。

 俺は、人生が楽しけりゃ、それで良いんだよ」


 ――でも、盗賊と相対した後で、急に彼の態度が変わってしまう。


「やめだ、やめ。

 面倒事はゴメンだ」


「ちょ、ちょっと待ってよ!

 それじゃあ……諦めるって言うの??」


「言っただろ。

 俺は、人生が楽しけりゃ、それで良いんだって」


「だからって……面倒だと思ったら、逃げるって言うの?

 ……最低だわ」


「お嬢ちゃん。

 何事も、深入りしない方が身のためだぜ」



 ⇒To Be Continued...

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