第14話 次なる敵は先代藩主 伊達 政宗
城が崩壊し死者を弔うのかと思いきや、御庭番の人と兵隊さんは宴を開きだした。
この人達の精神状態どうなってんの? ボクが言えたことじゃないけど……、普通死んだ人を悲しんだりするんじゃないの?
御庭番の人に聞いてみた。
名前はどうせ十人も居れば覚えられないしこれからもっと増えてく予定なので聞かなかった、
「御庭番さん! 普通は死者を悲しんだりするものじゃないんですか?」
御庭番の人も感覚がマヒしていた。
「そうは言われましてもこれまでに千人以上は殺してますし、一々人が死んだから悲しんだりしないですよ、それにこれから戦争も最終局面を迎えますしね」
そうだった。
進化の秘宝のボクと違って、御庭番の人は何千人も殺してステータスが上昇してるんだ。
何人くらい殺せば人の死をなんとも思わなくなるのかな?
という考えがふと頭によぎった。
ボクはその考えが浮かんだ時に自分が怖くなった。
一日前までクソ雑魚だったのに、この変わりようはなんだ!?
これじゃあ最弱の人の気持ちなんかまるで理解してないじゃないか!
ダメだダメだ! こんなのボクじゃない!
ボクは他人に優しくなるんだ!
その時、心の悪魔が囁いた。
(本当の事を言えよ、人を殺して、無双して気持ち良かっただろ?)
違う! 気持ち良くなんて……
その時、刀で城をぶった切った時の快感が蘇る。
気持ち……良かったんだよな……。
弱者……自分より弱い奴を蹂躙するのは……気持ち良かったんだよな……。
認めたくない感情に地面を殴った。
地面にはクレーターができた。
違う……こんなのボクじゃない……こんな人間知らない……、ボクは弱者で……、
その時、一条さんがボクの心の闇をよんだのか、
「ソラ、こっちに来い、混乱してる時は酒を飲んで美味いものを食べるに限る!」
といってボクにお酒とご馳走を振るまった。
「……美味しい……」
「……だろ?」
ボクは安堵したのか、涙が溢れてきた。
一条さんはそんなボクを察してか、
「ソラ、付いて来い!」
そう言ってボクを宴の席から連れ出した。
「一条さんは松前藩の城に登り、とある方角を指さした」
「見えるか? あの大陸を渡れば、仙台藩主、
一条さんは悩むボクに使命を与えた。
強敵……。
そのことを考えるだけで、不思議と心理的葛藤は無くなった。
ああ、ボクは結局一条さんが神様になる国の王様になるのかな?
宴は朝まで開かれたが、ボクは一睡もすることが出来ずに朝を迎えた。
次なる目的地は仙台藩主、伊達政宗である。
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