第13話 そうだ! 御庭番に働かせよう!

 ひかるの国とやらができてしまった。

 

 どうしよう、勝手に征夷大将軍にさせられた。

 

 そしてなんかオマケで松前藩の御庭番が仲間になった。


「ソラ様、一生ついて行きます!」

 

 なんてこと言ってるし、ついてこられてもこま……待てよ? そうだ! この人達に仕事してもらえばいいんじゃないか?


「ちょっといいかな御庭番の人?」


「は! なんなりとお申し付けください」


 もうここまで来たんだ。こうなったら天下統一しちゃおう。


 ボクの精神は人を殺し過ぎたせいで、そんな無謀な事を考えちゃうほど麻痺していた。


「松前藩は北海道を制圧しようとしてるんだよね? だったらそれ早く実行しちゃって、ボクが王様の国作ってくれない?」


 死にたくなくて裸になった兵隊は涙目だ。

 見れば兵隊の中には女の人もいる。

 ボクは初めて見る女体の裸に股間が大きくなった。大根サイズだ。


 そんな涙目の兵隊達はたった今のボクの一言で悟ったらしい。

 これから本格的に北海道で最終戦争が起こると……。


 だがボクはそれに参加しない。

 戦争に参加しない征夷大将軍、クソみたいな身分だ。

 王様特権である。


 御庭番の人達もボクの言葉で思うところがあるのか、口を開いた。


「ソラ様、それは北海道で戦を侵略が完了するまで行えということですか?」

「そう言ってますね。んで……」


「はい」


 こっからが大事なのだ。


「ボクが王様になったからには、戦争以外で弱い者いじめは絶対ダメだよ? わかった?」


 御庭番の人の内数人が顔を上げて語りだす。

「やはりソラ様を征夷大将軍にすることに間違いは無かった!」

「田舎で密かにソラ様を尾行してた時から、ソラ様はそのような国を作ってくれると思っていたのです!」


 あ、あれ? 予想外の反応、てっきり一条さんみたいに武力には武力をとか言いだすのかと思っていたのに……。


 それよりも尾行されてた? まったく気づかなかったぞ!?


 まぁいい、国ができれば御庭番の人が勝手になんとかしてくれるんだ。


 そうだ! 閃いた!


 これからは国を滅ぼしたら御庭番の人を仲間にして働かせよう、ボクは各地の征夷大将軍と帝を倒すだけだ!

 そうしよう!


 方針が決まった所で、一条さんにそのやり方はどうかと報告した。


 一条さんは正直だった。


「いやそれ我が困る。我の強さはそこそこだもの。御庭番全員に囲まれたら流石に死ぬし」


「まぁまぁ、一条さんはボクが守りますし……」


「そ、それならソラは我の傍を離れるなよ? よいな!?」


 はぁいと気の抜けた返事をしておく。


 一条さんはそんなに強くないのか……、最強の帝ってどんな人なんだろう?


 しかしこれから後、ボクの相棒は結局、一条 光となるのであった。


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