黄昏の砂浜にて

古 散太

黄昏の砂浜にて

黄昏の砂浜でひとり

今日の終わりを感じるとき

何をしていたか振り返り

今日という一日分の

人生が終わることに黄昏れる


いつも気にしていなくても

自分が変われば世界も変わる

そのことに戸惑いつつも

今日という一日分の

人生の足跡に疑問は持たない


秒針が休むことなく進み

一秒また一秒と消費する

損得や勝ち負けよりも

今日という一日分の

人生の有意義さに満足する


たとえば今日という一日が

人生の分岐点だとしても

いまはまだ気づかない

今日という一日分の

人生が思い出に変わるだけ


夢や希望があふれだして

でも現状に飲み込まれて

心が疲れきってしまっても

今日という一日分の

人生を夢見たことに黄昏れるだけ


足元を見て 前を見て

どこかにある目的地をにらむ

黄昏の砂浜もやがて夜になり

明日が姿を見せたとき

すぐに一歩を踏みだそうと思う

黄昏の砂浜をあとにして

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黄昏の砂浜にて 古 散太 @santafull

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