第4話 幕間 とある男の執筆
DIFが現れて半年が過ぎた。
現時点で分かっている事をここに記したい。
彼らが語るところによれば、我々の世界――これ以降人間界と呼称――は次元の壁次元の壁が特殊な波特殊な波を発生させている影響で、三つの世界から感知や干渉ができないようになっているという。
なぜ知っているのかというと、彼らの世界にも以前は存在していたらしいのだが、彼らの持つ強大な力を前に次元の壁は壊れてしまったという。今は互いに感知はしていたが干渉自体は極力していなかったらしい。
そんな彼らの前にあの日、突如として次元の壁が壊れたことにより、三つの世界が人間界を感知できるようになった。
好奇心旺盛な精霊が住む
弱肉強食が理の獣たちが住む
高位の者が見守る
その中で真っ先に行動を移したのが幻生界だった。しかし、壊れて干渉できるようになったにも関わらず、彼らは進行できなかった。
調べて見ると、次元の壁が壊れた直後、新たに別の壁別の壁が展開されていたのだ。
この壁は、人間界を脅かす者人間界を脅かす者を通さない性質があるということ。
ただし、自分たちの世界から人間界を覗き見ることはできるということ。
これにより、三つの世界は壁に阻まれ人間界へ行くことが叶わず、ここから覗き見ることしかできなくなった――かに思われた。
しかし、人間界を覗き見して彼らは瞠目する。
なぜなら、明らかに彼らの力を使用している人間がすでにいるし、精霊界から精霊が渡っているのだ。
いかなる理由か分からないが、精霊界の住人だけは我々の世界へ渡ることができる。
他の世界は覗くことしかできないが、自分たちの力を人間たちに貸し与えることは可能だと知った。
そう、今ここにDIFが誕生したのだ。
DIFとは異世界の住人からそれぞれの力を契約、貸与、 加護された者のことを言う。
『彼らの姿を見る。彼らの声を聞く。彼らの気配を察知する。そうすれば、君はDIFへと生まれ変わる』
これは、どのDIFの力を手に入れるのか、を説明した文である。
彼らの姿を見る、というのは、人間界への行き来が可能な精霊界の力と契約する。
彼らの声を聞く、というのは、人間界へ行くことのできない幻生界の力と貸与する。
彼らの気配を察知する、というのは、一歩引いて全てを見守る神世界の力と加護する。
まだまだ、私たちの知らないことがたくさんあると思うが、とりあえずこれを参考にして頂けると幸いだ。
ぜひ自分が望む力を手に入れ、世界を動かしてみると――。
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