第2話 友人S

私にはSという友人がいた。

彼女との出会いは私にとって人生最大の僥倖にして過ちであろう。

たかだか20数年で人生を語るのもどうかと思うが、Sと過ごした時間はそのくらいインパクトのある"事件"だった。


Sは溌溂として、お調子者な一面もあったが人見知りで繊細な人だった。

私は読書が趣味で物静か、勉強が得意な他はいたって平凡な真面目人間。

彼女の方から私を見出して、いつしか奇妙な交流が始まった。

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