6話 トラブル?

「何するんですか!」

「は?なにその態度?先輩に向かって」


購買でパンを買い

昨日から増えた7人で飯をたべようと

いつもの場所に行こうとした時だ


「・・なんだあれ」


階段の踊り場のようなところで

男子二人と女子二人が何やらすごい剣幕で

話している。その一人は佐藤さんだ。

もう一人の女子は見たことがない

先輩とかいってたから男子の方は先輩なのか


「何って、別に歩いてただけだぜ

 そこにお前の飯があってたまたま足が

 当たっただけだろ」

「たまたまって。完全にわざとですよね?

 進行方向に私たちの弁当があったわけじゃないですし、第一足があたっただけなら

こんなに飛びません!」


言い合っている二人の足元を見てみると

確かに弁当らしきものが酷く散乱していた

確かに足がたまたまあたるだけなら

そこまで酷くならない

だが見たところ蹴り上げられたのではないかというレベルで散乱している


「たまたま当たっただけだって言ってんだろ

 なんか文句あんのか?あぁ?」

「うっっ」


先輩らしき人が距離を詰めて女子を睨みつける。先輩っぽいとはいっても見た目からしてかなりやばい

髪は金髪でピアスは空いてるし

なんかジャラジャラするものつけてるし。


いくら校則が比較的緩いこの陽千高でも

あれはいくらなんでも校則違反じゃ?


「・・・先輩とはいえ

 これは明らかに嫌がらせですよ」

「ちょっと!?舞!?」


なんと睨みつけられた状態でも意を唱えた

それを聞いた先輩がさらに不機嫌になる


「おいガキ。強がってんじゃねぇぞ」


見れば足が震えている

先ほどの声も少し震えていたように聞こえた


「殴られてぇのか」





なるほど

ようは中瀬先生がいつか言ってたっけ

この学校は世間的に評判が悪い

全員がそういった素行の悪い生徒ではないが

一部の生徒は素行の悪い生徒がいるのも事実

今目の前で後輩を脅しているこいつは、

その『一部の生徒』というわけだ。

そしてそんな人がいるからこそ

損をしている生徒がいるということ。

ここに来てわかった、勘違いをしていた部分



「生意気な奴にはしっかり教育

 しねぇとなぁ。やるぞ」

「はいはい」


いよいよ本格的にやばくなりそうな雰囲気だ

後ろにいたもう一人の銀髪も参加しようとしている

舞と呼ばれていた女子は佐藤さんに向かって

震える声で伝えた


「由紀。あんたはさがってて」

「ダメだよ舞!危ないって!

 今からでも謝ればゆる」

「許すつもりねぇよ?もう決めた」

「らしいよ」


そういって近づいていく二人

そして

「無意味に意地張るからこうなるのさ」


男が手を振りかざした瞬間−−−




「何やってんですか?

 男が二人がかりで」


いたって冷静に。

今この場所に来たかのように

俺は声を上げた。



















「工藤君遅いねー」

「パン買いに行っただけだと思うけど

 なんかあったんかな?」 

残された6人は少し不思議に思いながらも

飯を食べていた






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