【ダンジョンに初めて人間が来たんだけど、なんか質問ある?】
1名無し6階層守護者
あら、遂に人間が来たって感じやで
2名無し分身
ふふふ、遂に来てしまったか
3名無し分身
そういえば、このあたりは鬱蒼森林と言われてて元は瘴気が多くて人間が来れないと新人分身が言ってたな
4名無し分身
どういうわけか、それが消えて探索範囲に加えられたのか
5名無し分身
ヤバいやん!?
6名無し分身
不思議のダンジョン化してて正解だったな!
7名無し分身
不思議のダンジョン。懐かしいね、よくゲームしてたわ
8名無し分身
入るたびに地形が変わるのは面白い仕様だったよね
9名無し分身
RTA動画とかたくさんあった
10名無し分身
あれ、面白かったよね
11名無し分身
1日中引きこもりで見てたわ
12名無し分身
引きこもりで見てたら、ぼっちだったけどね
13名無し分身
やめろ
14名無し分身
思い出させるな
15名無し分身
都合の良い記憶だけ思い出せば宜しい、おーけー?
16名無し分身
学校で最初だけ話せるけど、連絡先を交換できるけど、徐々に話せなくなってぼっちになるのは思い出さなくていいのよ
17名無し分身
おい
18名無し分身
やめろ
19名無し分身
日本は素晴らしい、それでいい
20名無し分身
日本最強、日本最強!!
21名無し分身
俺達は同じ分身、故にトラウマも同じなんやで。それはいうな
22名無し分身
ほんで? 侵入者はどうしたん?
23名無し6階層守護者
すでに撃退済みやで。不思議のダンジョン時点でかなり迷ってたで。
24名無し分身
おお! 流石やん
25名無し分身
ダンジョンは不思議のダンジョン化してて、さらに魔物も複数いるんだもんな。攻略難しそう
26名無し分身
ほんで?
27名無し6階層守護者
取り敢えず、不思議のダンジョン攻略時点で疲弊してたからね。六階層に来た時点でほぼ勝ちだった。一応倒して、外に放り出しておいたで
28名無し分身
流石に殺すのは倫理的にできないよな
29名無し分身
俺達日本人だし、百沢幾人だし
30名無し分身
心のどこかは小心者
31名無し分身
不思議のダンジョン。入る度に地形が変わるからな冒険者からすると厄介やね。しかも入る人数も制限されてるし
32名無し6階層守護者
最初一回入ってマッピングとかしてたで。六階層の部屋の前で一度引き返して、また装備整えて来たみたいやったけど。道が違いすぎてびびってた。
因みに人数は四人で、男一人に女三人のハーレムパーティーやった
33名無し分身
質問。ダンジョンにハーレムで入ったら何罪ですか?
34名無し分身
結論。死刑!!
35名無し分身
これは、百沢幾人ダンジョン法、第540条に抵触するからねぇ
36名無し分身
よくぞ撃退してくれた
37名無し分身
異世界のハーレム男の話は聞きたくないんやで
38名無し分身
無限に現実でウェブ小説で似たようなのあるしな
39名無し分身
無料で読める日本のネット環境の最強具合
40名無し分身
やっぱり日本はすごいんやなぁ
41名無し分身
一応。六階層守護者分身は対決したんやろ? 強さはどの程度なん?
42名無し6階層守護者
うーん。今ワイはレベル56くらいやったけど。正直楽勝かな? 不思議のダンジョンで迷ってたから消耗したんかもやが
43名無し分身
六階層分身は職業なんだっけ?
44名無し6階層守護者
職業は魔王やで
45名無し分身
あぁ、そうだった
46名無し分身
分身は職業ランダムだから色々あるよね。
47名無し分身
六階層でいきなり魔王は笑うわ
48名無し分身
七階層はなんやっけ?
49名無し分身
七階層から十までは今、工事中やから特定のやつはいないで
50名無し分身
あぁそうか
51名無し分身
取り敢えず、魔王がなんとかしてくれるだろ
52名無し分身
今後、他の冒険者も来るかもやからしっかり止めてくれや
53名無し6階層守護者
おけおけ、任せておいてくれや
◾️◾️
僕達にとって、あのダンジョンは忘れられない場所になっただろう。
【鬱蒼森林】、ずっと瘴気に囲まれていた場所で誰も立ち入ることができなかった大地。その調査として、僕達、
極普通の大地だ、魔物の数も少ない。瘴気があったのだから、生物が少ないのも当然かもしれない。
「ちょっと、ライト!!」
僕の名前を呼ぶのは同じパーティーのナナ、幼馴染だ。彼女が指を刺しているのは地面だった。
「ライト、これ……人の足跡よね?」
「そうだね……ララとミミはどう思う?」
僕は同じくパーティーメンバーで幼馴染の二人にも聞いた。彼女達も足跡には不可思議な顔をしていた。
もしかしたら、この足跡の先に何かがあるのかもしれない。そんな予感を僕は感じたんだ。
そして、見つけた。ダンジョンの穴を……最初は攻略のため、マッピングを行なった。
「ライト、ララ、ミミ、ここはかなり強いわよ」
「そうだね」
「はい、油断はしません!」
「ミミは油断しないにゃー」
一階層の魔物はさほどの強さでもなかった。二階層もさほどだ。しかし、広大さとどこか不気味さを感じさせる洞窟がどうにも引っかかった。
「ねぇ、ライト」
「あぁ、わかってる。見られてるね」
「誰? ダンジョンマスターかな?」
「さぁね、でも、どうにもここは……不気味だ」
そして、僕達は六階層にたどり着いた。多大な広さだったがなんとななったのだ。六階層には大きな威圧感のある扉が置いてある。
「一度、退散しよう。マッピングは済ませてある」
僕達は再度準備を整え、ダンジョンへと向かうのだ。だが、そこで再度衝撃が襲う。
「最初と通路が違う……こんなダンジョン初めてだ」
「ライト、引き返した方が良いんじゃない? 依頼失敗しても文句は言われないわ」
「……いや、ここまで来たんだ。行こう」
「そう、貴方そう言うならアタシ達はついていくしかない」
「ごめん。ナナ」
「もう、しょうがないわね……でも、アタシ、そんな無茶する貴方のことが」
「え?」
「……うん、そのね、アタシ今24歳じゃない?」
「そうだね」
「そろそろ良い年かなって」
「え? 良い年って?」
「だから……その、ライト、アタシと──」
──次の瞬間、急に魔物が現れた!
「ナナ、話はここまでだ!」
「え、あ、うん。なんてタイミングの悪い魔物なのかしら。ミミ、ララ。戦うわよ」
「了解にゃー。それにしてもまたナナは抜け駆けしようとしてたにゃー」
「ララは了解しました! ですが、また抜け駆けしよとしていましたねナナさん」
「ご、ごめんって。っち、妙に悪いタイミングで魔物が出てくるわね」
「三人とも! 話してる場合じゃないって!!」
現れた魔物はブラックガーゴイル。全身が黒く目が赤い、凶暴な吐息、鋭利な爪、強い魔物だ。
僕は一本だけ剣を抜いて、突撃をした。振るう剣は爪によって止められる。
「り、あ」
「え?」
この魔物、何か話した?
「り、あ、じゅ、う、しす、べし」
「何いってるんだ。このダンジョン本当におかしいのか?」
僕はその魔物を切り終えた。
「ライト、やるじゃない!」
「ライトさん、流石ですね!」
「ライト、凄いにゃー!」
ナナ、ララ、ミミが僕を褒めてくれる。気のせいだろうか、顔がどこか赤いのは。
「あの、ライトさっきの続きなんだけど」
「ナナ、さっきの24歳がどうこうってやつ?」
「そうそう……それでさ、お母さんとお父さんにもそろそろ良い年じゃないかって」
「だから、良い年ってどういう……」
良い年ってどう言う意味なのだろうか。話を遠回しに言っているようで僕には理解できなかった。
「だから! あの、その、け、け、けっこ──」
「──ぎゃあああああAA!!!!」
「ナナ! また魔物だ!」
「また魔物!? このタイミングで!?」
そして、また僕は魔物を倒した。心なしかさっきのブラックガーゴイルよりも強い気がした。剣も僅かに欠けてしまった。
Sランク冒険者、
このダンジョン、恐らくまだ序盤なのだろう。このまま行っても良いのだろうか
「えー、こほん。ライト、また話いいかしら?」
「え、うん」
「最近、両親から手紙が来てね。その……幼馴染のライトなら安心的な? 稼ぎとか気心知れてるとか、強いしさ。ほら、ご両親同士も仲良いじゃない?」
「まぁ、僕達の両親仲良いよね」
「だ、だからさ、け、けけけ、結婚をね!」
「があああああああああああああああ!!!!!」
「ナナ、また魔物だ!」
「おかしいでしょ!! このダンジョン、絶対意思あるでしょ!!!」
なんとか倒した。こころなしか、先ほどよりもさらに強くなっている気がした。
「ちょっと、ナナさん。抜け駆けしないでください! ララも言いたいことがずっとあるのです!! ライトさん! 幼馴染の私と結婚」
「ミミも言いたいことあるにゃー。幼馴染のミミと結婚」
「どうせ、このタイミングでブラックガーゴイルでしょ。分かってるのよ、アタシは」
ナナの予言通り。次の瞬間、ブラックガーゴイルの大群が現れる。
「「「「GAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA」」」」
僕はそれを倒したが、腕が痺れてしまった。鋼鉄よりも魔物達の皮膚が硬くそのダメージが僕に返ってきていたのだ。
「進もう、皆んな」
「おかしいじゃない。何よこのダンジョン」
「おかしいですね」
「おかしいにゃー」
僕達は互いの絆を確かめながら、再びダンジョンを進んだんだ。そして、あの六階層の扉に再び辿り着いた。
「僕だけでもいい」
「アタシ達も行くに決まってるでしょ」
「危険かも知れない」
「アンタ一人だけは行かせられないわ」
「ありがとう、ナナ」
「そう思うなら、あとで結婚」
「ブラックガーゴイルめ! 覚悟!!」
「またきたわね!! このやろう!!! 魔法ぶち込んでやるわ!」
やけに気合いが入ったナナと一緒に魔物を倒した後は遂に重い扉を開けた。まるでそこは広い闘技場と酷似していた。
大きな、大きな玉座が置いてある。そこには仮面をかぶっている人が腰を下ろしている。
「……我が眠りを妨げたのはお前達か」
「人、なのか?」
「さぁな、人であるか。どうであるかは知らん。だが、これだけは言える。すぐさま立ち去れ、さもなければ……」
「……悪いけど、立ち去れないよ」
「そうか……ならば」
そう言って男は玉座から腰をあげる。それと同時に頭上に巨大な火球を出現させる。
「これは、切り札ではない、ただの挨拶だ」
「ライト!? あれはやばい!? 逃げるわよ!!!!」
「お、お前は何者だ!?」
「我こそ、深淵に住みしもの。魔王である。これに懲りたら二度とこの土地にくるでない。あぁ、魔王であるからな、怖いだろう、二度とくるでない。来るなよ、絶対来るなよ。フリではないからな。リア充など見とうない」
その日、僕達は大きな壁を知った。そして、魔王を僕達は知ったのであった。
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