フロメラー編

第9話 フロメラー① 束の間の休息

ー1917年1月6日ー


俺達はイソールの戦場から退却した。

俺は初めての敗北を経験した。

どうやらあのデカブツはグレスティア帝国の最新兵器で戦車と呼ばれるそうだ。

俺は右腕を負傷したことで一時戦場を離脱することとなった。

そうなると俺は仲間と別れを交わし輸送車で故郷のフロメラーに送られた。


故郷へはわずか一年で帰ってこれるとは思わなかったが、故郷の空気を堪能し家へと向かった。

家の煙突からは煙が上がっている。

きっと母さんが夕食の準備をしているのだろう。

家のドアをノックすると母さんがドアを開けた。


「あんた生きてたのかい!?」


母さんは驚いた顔で俺をギュッと抱いた。

どうやら誤報で俺が死んだことになっていたらしい。

もう既に墓も用意されているそうだ。

なんて酷い話なんだろうか。


俺は家の中に入ると犬のルイが俺を出迎えてくれた。

次に父とも会った。

父はゲネル病のため寝たきりだが、俺と握手をした。


「死んだはずのお前がここにいるなんて、ここは夢なのか?」


そう父は言った。


「夢じゃないよ父さん、とにかく元気そうでよかったよ。」


俺は家族と一緒に夕食を食べた。

すると兄の話が上がった。

なにやらずっと続いていた兄からの手紙が先週から途切れたそうだ。

もしかしたら兄の身になにかあったのかもしれない。



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帝国戦記 あずち @AZAZfinder

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