02話 魔法少女


 メルヘンな呼び名に反して、その実態はひどくおぞましい。


 成人に満たない、年若い少女を材料とする生物兵器。

 それが、この国における『魔法少女』という言葉の意味だ。


 彼女らは科学技術の産物である。……そのはずなのだが、どういうわけか出来上がった魔法少女という兵器は、物理法則を無視した埒外の力を行使できた。


 安直に『魔法』と呼ばれるその力は、生身で空を飛ぶようなものから始まり、ただの一瞬で生物を凍りつかせたり、虚空から物質を生み出したりすることもできる。

 魔法少女はそれぞれ使える魔法が違うらしいが、どれも尋常の域にはない。リツはとある魔法少女が、ただの一撃で半径数kmに及ぶコロニーを消し飛ばしたのを見たことがある。


 ――薄紫の敵手からは、そんな戦略兵器じみたプレッシャーは感じない。

 だがそれでも、唯人が敵うはずはずもない、最強クラスの生物兵器。

 眼の前にいるのはそういう相手だ。


 先程行動不能に追い込んだ連中が、捨て駒に近い扱いだということは想定していた。光学迷彩なのかダミー映像をどうにかして流しているのか知らないが、道化師の支配する監視カメラから身を隠すというのは、明らかに高度な技術が必要である。だというのに、堂々と声を掛けてくるリスクの高すぎる行動。考えられるのは、時間稼ぎか、油断させるための釣り餌。


 故に警戒は絶やしていなかった。だからこそ先の一撃を回避できたのだが……増援に魔法少女がやってくるなど! 過剰戦力もいいところだ。己一人を攫うために割く戦力としてはあまりにも豪勢過ぎる。


「大人しく捕まってくれないかしら」

「それはこちらのセリフです。今ならモルモット小屋という素敵な住居が貰えますが」

「遠慮しておくわ。他人の造った家の住心地に興味はないのよ」


 夜景に浮かぶ襲撃者は言い切ると同時、無造作に手を振るう。

 瞬間飛び退れば、コンマ数秒前にいた空間がズタズタにされた。

 銃弾の速度で突進する槍の群れは、強固なはずの金属壁に半ばまで突き刺さる。


 冷や汗が背筋を伝う。直撃していれば確実に死んでいた。

 全力に横に飛んだ姿勢から反転。体勢を下げたまま駆け出す。

 通路を曲がり、階段を飛び降りるように駆け、目的地へ向かう。


(……よし、ありましたね……!)


 見つけたのは通路の壁に半ば埋め込まれ、路傍の装飾オブジェのように佇む機械兵器。

 ある程度の間隔で配置されたこれは、違反をカメラが捕らえた場合、即座に起動し捕縛に移る自立起動の兵器だが、兵士が戦力として追従させることも可能な鎮圧ロボットだ。


 しかし、駆け寄って側の認証パネルに触れてもうんともすんとも言わない。

 チ、と舌打ちを漏らし、瞬間はっと身を翻す。


 槍の群れはリツの代わりにロボットを粉々に打ち砕いた。

 リツは回避した勢いを殺さずに反転。機械兵士の装備していたアサルトライフルを拾い、再び走り出した。学生に支給されている護身用拳銃では些か力不足。多少はマシになるはず。

 通路を駆けながら、イヤーカフ型デバイスを操作。救助要請を発信するが……。


「こちら国軍学校生徒、都我律。反乱軍を名乗る魔法少女の襲撃を受けています。応答を!」


 ……ダメだ。通信も封殺されている。

 そも、先程捕縛要請を発信したのにも関わらず、機械兵士や憲兵が来る気配など微塵もなかった。このままでは逃げ切れない。――かくなる上は、魔法少女に対抗できる戦力がある場所……国軍の基地か、国家運営局まで逃げる他ない。


 通路を駆け抜けるリツを、亡霊にも似た魔法少女は窓の外から追従する。


「ねえ、こちら側に来る気はないの? 見返りは期待していいわよ」


 は? ふざけるな。何を言い出すかと思えば!

 こめかみに青筋を浮かべ、リツは中指を立てた。


「今更しょうもないことを言わないでください。そちらも私が頷くと思っていないでしょう? なのにそんな誘いで人を揺さぶれると思っているなら低脳の証拠です」

「あら残念。面従腹背の駆け引きもできない程度の頭しか無いとは思っていなかったわ」

「そんな無駄なことをするとでも?」

「なら可能性にすら賭けずに倒れることね」


 何度目かの、斉射された槍の群れ。

 すんでの所で避ければ、背後の壁が強烈に穿たれる。


 足を止めずにそれを見やれば、薄紫の槍は幻のように消えていく。視線を戻すと、魔法少女の傍らに、槍の群れがじわりと現れるのが見えた。


(周囲への被害が大きいですね! 人気のない所に逃げなければ……!)


 己を狙っての襲撃だ。民間人を万が一にでも巻き込む訳にはいかない。

 ……誰一人とて遭遇しないのは明らかに異常だが。都市の中心部からかなり遠い外周付近とはいえ、処刑ニュースの流れる時間帯に人がいないのはおかしい。

 反乱軍の連中が人払いでもしているのだろうか。民間人を巻き込む危険が少ないのは好都合ではあるが、歓迎すべきではない。


 建物内へ入り込む道に曲がり、数階層ぶちぬきのエスカレーターを飛び降りるように駆け下る。途中で手すりを乗り越え、途中のフロアに飛び移る。


 着地と同時振り返り、浮かんだまま槍と共に追ってくる魔法少女へ銃撃。

 だがその全ては、何の痛痒も与えられず光に弾かれ消え失せた。


 魔法少女全てが持つ能力、『魔法障壁』。

 体表面を覆う、己への攻撃を大きく減衰させシャットアウトする魔法の壁。


 麻痺弾が効いている様子は全く無い。威力が減衰しきり、ゼロとなっている。これを突破するには相当に強力な兵器か、同じ魔法少女の力が必要だと教わったが……ここまでとは。どれだけの耐久度があるのか見当もつかない。

 不可視のこれがある限り、奴に有効打を与えることは不可能だ、


 柱の陰に飛び込み、急ぎリツはライフルの威力調節リミッターを解除する。持ち手付近に並ぶ複数の小さなボタンを決まった順序で押せば、機構が動く音が鳴った。

 護身用拳銃と同じ、電磁麻痺を引き起こすエネルギー弾を放つ突撃銃。

 鎮圧対象を殺してしまわないためのリミッターだが、今は加減などしている場合ではない。


「“亡霊のパルチザン”」

「ぐっ……!」


 呟かれた魔法の文言。

 転げ出るように柱の背後から飛び出せば、殺到した槍が柱を叩き割った。

 魔法少女が『次槍』を装填するまでの間隙に、リミッターを取り払った銃弾を撃ち込む。

 フルオートで半秒ほどトリガーを引き、違わずエネルギー弾は魔法少女に命中するが……やはりその寸前で光に弾かれた。


 しかし、薄紫の追っ手は連続する衝撃に顔をしかめた。多少は効果があったのだろうか。

 どちらにせよ、目的は魔法少女を仕留めることではない。助けを求めることだ。己だけではあれに対処できない。本部へ戦力の派遣を要請しなければ。携帯デバイスは繋がらなかったが、固定通信端末ならあるいは……。


 逃げ続けること数分。


 走る最中、漠然と抱いていた違和感が、ようやく形を持った。

 追い込まれている。


 なぜ槍の斉射しかしてこない? あれを一本一本操れるなら、避けづらい三次元的な軌道でこちらを狙うこともできるはずだ。できないのか、しないのか。その違いはあまりに大きい。

 その疑念が浮かんだ瞬間、通路から飛び出した視界の端に、都市迷彩の人影が見えた。


(待ち伏せ! 誘導に気づくのが遅れましたね……ッ)


 円形の広場。中央には一際大きなモニターがあり、広場の壁に並ぶ小さなものと同じく、ディストピア☆クラウンの処刑ニュースが誰もいない虚空に流れていた。それを囲むベンチに座る者もおらず、がらんとした冷たい雰囲気が漂う。

 そして丁字路の形で、左右に抜ける通路がある。

 そのどちらもに、銃を構える反乱軍の姿が。


 突破するしかない!


 体を捻り、手をついて宙返りするように飛び上がる。回転する視界の中で数発。

 右の通路に陣取り、麻痺弾を撃ち込んでくる男の一人が倒れ伏した。

 アサルトライフルはリミッターが外れたままだが、どうだっていい。


 着地と同時、スライディングでベンチの下をくぐる。

 抜けた後も、低い姿勢で隙間を縫うように走り、絶えず射線を定めさせない。

 ちら、と背後を見やれば、薄紫の影。


 勢いを緩めず走る中、拝借したグレネードのピンを抜く。

 斉射が来る。

 大きく飛び退けば、上方から撃ち込まれた槍の散弾が鉄の椅子をバラバラにしていく。

 ぐねりと体を回転させ、振り返る勢いでグレネードを魔法少女に向けてぶん投げた。


「うぐっ!?」


 至近で爆発したそれに、大きく体勢を崩す魔法少女。

 声色からして、威力そのものは障壁に防がれたようだが、奴を数秒足止めできればいい。背後、もう一つの通路にいる反乱軍共は無視して構わない。


 ベンチの影から飛び出して、アサルトライフルで薙ぐようにトリガーを引く。

 五人が倒れた。

 あと二人。

 このまま……!


 左右に体を振りつつ接近。

 敵手二人の射線をぶらし、至近からライフルを撃ち込んだ。


(囲いを突破した! まだ距離はありますが、通信端末でも見つければ違うはず!)


 一抹の希望が湧き上がる。

 だが。


「全く、よく足掻くモルモットね! “亡霊のパルチザン”!」


 前方、虚空からにじみ出るように現れたのは、薄紫の追跡者が操る、槍の群れ。

 使役者は背後にいるはず。

 離れた位置に槍を生成することもできるのか! やはり能力を隠していた!


 今から引き返すことは不可能。

 斉射が来る。


 ……槍の穂先。その向きを見ろ。

 軌道を計算しろ!

 密度はさほどでもない! 間をすり抜ける!


 ダ、と地面を蹴り、体を捻りながら跳び上がる。

 リツを掠めるようにして飛んでいく槍の群れ。

 散弾銃の礫の中に突っ込み、すべてを避けるような博打。

 それをリツは成功させた。


 だが。


 突き抜ける衝撃。

 叩き落され、遅れた激痛に思考が漂白された。


「がぁ……つっ、ぐぁ……!」


 何をされた!?

 這いつくばりながらも、辛うじて自身の傷を確認する。

 左の肩と、右の脇腹が大きく抉られていた。とめどなく血が流れ落ち、命が零れ落ちていく。

 ……避けるとふんで、右方からも回避中のリツを貫く軌道で槍を飛ばしていたらしい。


「これで詰みね。今なら捕まえられるでしょ」

「……ですがファントム様、この傷では――」


 連れて帰るまでに死ぬのでは、とでも言いたかったのだろうか。

 男の言葉は、ゴッという鈍い音と共に強制的に中断された。


「口答えする暇があるならさっさと縛りなさい。これぐらい痛めつければ逃げる心配もないでしょう。これ以上手間取らせないでほしいわね」


 背後や正面、リツが逃げてきた方向からも、複数の足音。

 ここら一帯に潜んでいた反乱軍が集まってきたらしい。


 ――そうか、お前はファントムというのか。

 リツの中の怨恨がじわりと燻る。


「……これで、理想に向けて第一歩」


 嘲笑の混じる声。


「今度は貴方に、私達の自由……そのための礎になってもらうわ」


 ……自由?


「……ふざけるな……」


 脳髄を苛む苦痛の中、リツの口から憎悪の混じる声が漏れる。

 ビク、と捕縛のために近づいてきた反乱軍の動きが止まった。


 取り繕った欲望。

 無法の免罪符。

 己が正義だと悦に入るためのおためごかし!

 壊れても構うものかと、激痛が走る体を思い切り跳ね上げる。


「……さも平和のためですみたいな顔しやがってクソ共が!!」


 “最悪の自由時代”――黙示録を再来させてなるものか!!


 重いライフルは手放し、背後に迫っていた男の顎を拳銃でかち上げた。

 ゴギ、と骨の砕ける感触。


 そのまま、隣の反乱軍の顔面に発砲。

 ベルトの金具に引っ掛け、電流グレネードのピンを抜いた。

 肉の軋む音が骨を通じて聞こえてくるのを無視し、正面にそれをぶん投げる。


「この場で私が殺して――」


 血が混じった啖呵は、背後からの衝撃と痺れで止められた。

 全身に走った電流により、リツは痙攣し崩れ落ちた。

 追い打ちに、魔法の槍が背を貫く。


「諦めの悪い」


 全方位を反乱軍に囲まれており、魔法少女もいるのだ。

 致命となりうる傷を負っていては、普段の高速機動などできようはずもない。

 ましてや、この状況を打開できる訳がない。


 そんなことはリツにもわかっていた。

 だが、我慢ならなかった。

 自由などクソ喰らえ。人類は管理されて然るべきだ!


『それじゃあみんなのお待ちかね! 反逆者の処刑のお時間だよ!』


 朦朧とする意識の中、リツの感覚が捉えていたのは、逃走中もずっと流れていた処刑ニュースだった。

 目隠しされた『わるもの』が、射撃訓練場の的のように並ぶ。

 昏い魔法少女が、デフォルメされた……しかし明らかに軍用の拳銃をもてあそぶ。


『さーて、どこから撃とうかな~? それとも、別の方法で処刑しようかな~?』

「……皮肉ね。こんな場面が流れる時に、あなたを捕まえることができるなんて」


 薄紫の反逆者は、うーんと可愛らしく考え込む画面の中の支配者を、リツを嘲笑う。


 畜生。

 己に何の価値があるのか知らないが、奴らの利益になってたまるか。

 薄れる思考は抗おうと指令を飛ばすが、血を流しすぎた体は動かない。


「さあ、今度こそ――」


 こちらに手を伸ばす反乱軍。

 その向こう。


 画面の中。

 リツだけが見ていた。

 絶望郷の道化師が、こちらを覗き込んだのを。


『じゃあ、最初はこれにしよう!』


 無邪気なセリフと共に、ディストピア☆クラウンが“こちらに”銃を向けたのを。


『ばーん!!』


 撃ち抜かれたのは、反乱軍の男だった。

 モニターの中、クラウンの銃から放たれた光線は、第四の壁を通り抜け反逆者の胸を穿つ。


「なっ――」


 狼狽するファントム。

 撃たれた男はぴくりとも動かない。

 気づけば、この広場に備え付けられたモニター全てが、処刑ニュースを流していた。

 監視カメラの映像を流していたものも、全てが切り替わっている。


『みごと命中! やったね! 次行ってみよう~!』

「クソっ!!」

『ばーん!』


 辛うじて死角からの光線を躱し、叫ぶ薄紫の魔法少女。


「早くそいつを拘束しなさい!! 補足されてるわ!!」


 弾かれたように動き始める反乱軍だが、もう遅かった。


『ありゃー、外しちゃった! じゃあ、もっとたくさん撃とう! れっつごー!』


 ニヤリと、嗜虐の混じる、残酷な笑み。


『“君に明日は訪れないNO TOMORROW”』


 モニターの中から、クラウンが次々と発砲する。

 広場の壁全てに並ぶモニターから、ひたすらに発射される光線が空間を乱れ飛ぶ。

 ファントムは焦燥に顔を歪め、槍を飛ばしモニターを破壊していく。


 それをぼんやりと眺めるリツは、一つだけクラウンの映像を流していないモニターがあることに気づいた。

 いや、今、たった今切り替わったのだ。


 遠く、引き伸びた思考の中。

 ブロックノイズ混じりの白い光を放つモニターから声が聞こえた。


『国民番号475910978637、都我律』


 いつの間にか、遠くにあるはずのモニターが視界いっぱいになるほど、近く見える。


『平和を作るための力をあげよう。そのために……』


 ずる、とモニターから、見慣れた昏い道化師の上半身が現れる。


『私の眷属に、魔法少女になってよ!』


 絶望郷に希望あれ。

 リツは伸ばされた手を、一も二も無く掴み取った。


「承知……、しました……ッ!」


 血を吐きながらも、うつ伏せになった体を起こす。

 掴んだはずの手は無い。

 伸ばした右手には、握り続けていた、国軍学校生徒に支給される拳銃があった。


 あの魔法少女は仕留める。

 この国のため。

 自由への復讐のため!


 死に体で立ち上がるリツ。

 先の、道化師からの誘いが幻覚でない証拠と言わんばかりに、リツの周囲を黒銀と紅紫色の粒子が漂い始めた。

 震える手で、今もクラウンの放つ光線を躱す薄紫の魔法少女を狙う。


 瞬時、紅紫黒の粒子が膨れ上がる。

 一拍の後、リツの姿は一変した。

 炎に似た、しかし電子的にも見える濃桃の装飾が走る、黒を基調とした軍服ワンピース。所々にあしらわれたフリルと共に、しゃらりと肩マントやチェーンが揺れる。目深に軍帽が被さって、毛先から半ばほどを残してウルフカットの黒髪がマゼンタ色へと燃え上がった。

 そして握る拳銃は、銀色に輝く回転式拳銃リボルバー……ピースメーカーと化していた。


「ッ……!?」


 気づいたファントムが、槍の群れをこちらに向けてくる。

 しかし。

 銃弾の方が速い。


「くたばれッ!!!」


 ダァン!!

 響き渡る銃声。


 放たれた銀色の弾丸は、魔法障壁をガラスのようにブチ抜き……。

 そして亡霊じみた魔法少女の右腕を、根本から千切り飛ばした。


「ッぎぁ……っ!?」


 痛みに悶え、墜落するファントム。

 うっそりと笑みを浮かべたリツだが、炎が燃え尽きるように粒子が舞い、元の姿へと戻る。

 薄れゆく意識の中、己が崩れ落ちたのがわかった。


(……っはは、ざまあみろ)


 思考が闇に沈んでいく。

 最後に、こちらを見下ろす道化師が見えた気がした。

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