第145話 双葉対策
双葉が同じ店にいるとわかったことで状況が一変した。まだ食事が全然済ませていない。この状態で外に出ることが難しい。ただ一つだけ救いなのが双葉も俺に嘘をついていたこと。そしてあったとき美咲がいなかったことだ。この二つが奇跡的に重なったおかげで美咲と双葉が対面することはなかった。だが、どこかで出会う可能性は非常に高い。いま俺と美咲の関係について双葉は疑っている。そのするどいかんをもっているからものすごく怖い。
「どうしました?」
飲み物を持って戻ってきた美咲は俺の悩んだ表情を心配する。
「双葉この店にいる」
「それは困りましたね」
二人で対策を考えた。片方がいない間に片方が食べることが一番いいきがするが。この場からすぐに離れたいからそれを考えると最善とはいえない。ただ二人でみつからないだけでなく、少しでも疑われないように双葉が美咲を目視しないことを考えたほうが良い。
「とりあえず食べましょうか。食べ終わればすぐに出れますし」
「そうだな」
考えても時間が過ぎていくだけだしとりあえず料理を食べることを進めることにした。
「とりあえず飲み物とってくる」
のどが渇いているし双葉の次に行く予定だった飲み物を取りに行くことにした。
ドリンクバーでも常に警戒は怠っていない。双葉がこちらにきたらなるべく避けたい。
「りんくん」
しかし死角から双葉がでてきた。ドリンクバーのところからは見えずらい場所にせきがあったようだ。
「今日は帰るんじゃなかったのか?」
「ごめん。嘘ついた」
双葉が落ち込んだ様子をみせる。
「一緒にいたのは電話のひとか?」
「違うよ。彼女は前の高校の本当の友達。電話の人たちとは関係ない」
本当の友達か。電話の人たちはやはり双葉にとって苦手な人ってことだろうな。
「それならよかった。別に気にしなくていいぞ。ただ悪い方向に進みそうだったから心配しただけだ」
ちょうどドリンクを入れ終えた。話もいい感じ閉めれたし自然と戻れる。
「りん君待って」
それを双葉が気づいたかのように止めてきた。
「今日さ。誰と来てるの?ひとりじゃないよね」
一番聞かれたらまずい質問がとんできた。
「友達」
「あのバッグに袋のグッズ女性だよね?」
やはり双葉はあの一瞬だけ見えた光景で疑いの目をもっている。可能性が低くても美咲を疑っているかもしれない。
「女だったら何か問題あるのか?」
「そっか。ごめんね。横入りして。楽しんでね」
中途半端に入った飲み物を持ち戻っていった。何か誤解されているような気がするな。双葉の警戒心は今日でより強くなったのかもしれない。
席に戻ると美咲は自分の食事を済ませていた。
「とりあえず食べ終わりましたので外に出ています。集合は後ほどってことで」
食事のペース圧倒的に早くて驚いてしまう。だが、この店で見つかる可能性はなくなったから安心だ。
スマホから写真を見る。そこには二人で会話をしている光景があった。
「隠してるのも理由があるんだよね。りん君が…大丈夫だよね」
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