第144話 休憩なんてしなければよかった
買い物をおえた俺たちは移動をしている。椎崎が疲れてしまい今日は夕食を作るのが難しいかもしれないといわれたため夕食を食べて帰ることにした。
「どこがいいですか?」
美咲は今日一緒についてきてくれたことに感謝しているようで行きたいところにいっていいといわれた。しかもおごってくれるらしい。女子におごられるのは少し躊躇してしまうが彼女のプライドをけがさないこともありお言葉にあまえることにした。
「そうだな。タイ料理とかどうだ?」
いつも通りのファミレスにいくと誰かに遭遇する確率が高くなる。だから誰も入らないような店を選んだ方がよい。
「いいですねいきましょうか」
美咲の了承もえたのでタイ料理店を目指した。
「私はカーオ・パッ・クンにしようと思います」
タイ料理店に入りメニューを考えている。美咲が選んだのはぱっと見チャーハンのようなメニューだ。
「俺はガパオ・ガイ・ラート・カーオってやつにしようか」
炒めご飯だな。上に乗った目玉焼きがおいしそうだ。
「ヤム・プラームックってサラダ頼むのでシェアしましょう」
イカの入ったサラダだな。
「わかった」
これくらいあれば十分だろうな。
ドリンクバーに行き飲み物を取りに行った。美咲はずっと今日の買ったグッズを眺めて俺と会話することがない。沈黙の時間が続いた。
ようやく料理が届いた。
「いただきます」
二人声をそろえて言う。
鶏肉とバジルの香ばしい炒め物が白いご飯の上にのり、鮮やかな目玉焼きが添えられている。ひと口食べると、その独特のバジルの風味と鶏肉の柔らかさに感動している。
「うまい」
「それはよかったですこちらもおいしいですよ。一口食べてみます?」
「ありがたい」
美咲がスプーンにご飯をよそって俺の方に向けてくる。
ふわっとした卵の食感とプリプリのエビが口の中で踊る。ピリッとしたスパイスの刺激がアクセントとなり、食欲をさらに引き立てた。
「こっちもうま・・」
まてよ。俺今、美咲に「あーん」してもらったのか。少し思い出しただけで顔あつくなる。
「別にあなたに何の感情もありませんからね。変な想像しないように」
俺の思ったことをさっしたかのように突っ込みを入れてくる。
「そうですか」
わかってはいるがほんとムードを壊すな。
「ちょっと飲み物をとってきますね」
美咲が席を外した。ここなら少し休めるだろうな。夜遅くなるかもしれないがゆっくり帰った方がいいだろうな。
「あおあおここめっちゃうまいから」
テンションの高いJKの声が聞こえる。同じ学校の人だったらまずいな。こんなところに来るなんて」
「美紀ひっぱらないで」
聞き覚えのある声が聞こえてきた。なんだろうこのむなさわぎ。ちょうど美咲がいないしもし同じ学校の生徒だったらやっかいなことになるし確認をするために振り向いた。
「り、りんくん?」
目の前にいたのは双葉だった。
「お前」
「え、あおあおの知り合い?」
「ううん知らない人ほらいこ」
双葉が美紀という人物をひっぱって奥の方にいった。美咲のことはばれなかったからすこしほっとした。だが、双葉は家に帰るといっていた。なのになんでいまここにいるんだ。
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