第141話 紅茶のひととき
双葉が1人で帰っていった。心配とされる懸念点がおおいが彼女がそっとしておいてほしいというし彼女を無理に追い詰めないためにも今はそっとしておくと決めた。
そして予定のデパートに向かうことにした。
「椎崎さん一緒に帰りましょう。めっちゃいい店見つけたんですよ」
「すいません用事が」
歩いている途中に美咲がいろんな人に誘われている光景を横目で見ながら通り抜けていく。相変わらず美咲の人気ははんぱない。ほんとあまり興味のない俺が隣でよかったと俺でも思うよ。あんな状態で隣に美咲がいたら独占欲が高まってくるに違いないだろうし。
「あ、あの私急いでますので」
「椎崎さん!」
これはしばらく合流は難しそうだな。適当に時間を潰すとするか。
学校の裏を歩いていきデパートに向かう。こっちの道の方はほとんどいったことないからほんとに未知である。ひたすら直線を歩けばつくらしい。
歩き進めるにつれて俺は感じてきた。思っていたより遠い道のりだと。予想よりも遠い。一本道でいまだにデパートがありそうな風景にならない。俺にとってはへでもないが心配になるのは美咲だ。あいつは体力がない。こんなところを一人でこれるのだろうか。どっかで力尽きないか心配になってくる。あいつもしっかり考えるやつだからしっかりと距離感を把握していると信じよう。
そしてようやくデパートについた。外見をみただけで広く、看板を見ただけでものすごい多様多彩な店があることがうかがえる。屋上にそびえたつ観覧車が特徴的にかんじる。
歩き進んでいてもとくに歩いても見たい店が見つからないたカフェで美咲を待つことにした。
最初に見つけたおしゃれなカフェに入ってみる。ここは茶葉をポットに入れて持ってきてくれる形式らしい。あまりカフェに来ない俺からしたらかなりレベルが高い気がする。
アンティーク調の家具とシンプルでエレガントな装飾が調和した空間になっている。各テーブルには小さなティーライトが置かれ、ほのかな灯りが紅茶の香りをさらに引き立つ。やはり俺には相当レベルの高い店だな。
ひとまずアールグレイという言葉の響きにひかれたため頼んでみた。
ティーカップからは、かすかな蒸気が立ち上り、鼻腔をくすぐるように柑橘系の爽やかな香りが漂う。これがアールグレイなのか。紅茶は熱すぎず、ちょうどいい温度。苦みと甘みが口の中に広がり、次に優しい紅茶の風味が舌を包み込む。俺好みの味詳しいことは知らないがアールグレイがお気に入りになったな。
ちょうど一息ついたところで美咲からもうすぐつくとメッセージが飛んできた。
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