第136話 俺の仲間

「椎崎さま。こちらを」

「あ、ありがとうございます」

 木佐山が自分が頼んだパスタを椎崎の口にパスタを入れる。

「おいしいです」

 作り笑いを見せる美咲。木佐山はそのことを知っているのだろうがその上で嬉しそうにしている。

「ほんと2人仲良いね」

 そんな二人に双葉が切り込む。

「仲良くないですよ。私の片想いです」

 どうどうと木佐山が発言をする。こいつはストーカーしてることを認めるし美咲に好まれてないのも知っていたりとわりと強メンタルかつ隠さない人だ。前までの記憶のある美咲が利用するのも理解できる。

「常に監視されてる身にもなってください」

「監視じゃないです観察です」

 なにが違うのだろうか。

「あの私のこと虫や動物も同じように見てませんか?」

「ずっと言ってますが椎崎様は神です。その辺の人間と同じに思われるのは侵害です」

 さらっとすごくひどいこと言ったぞこいつ。

「ほんと不思議な人」

「それで構いません」

 双葉は対抗してあおったのだろうが全て自覚している彼女にとってはノーダメージだな。

「そ、そうだ!もう冬休みだね」

 無理やり話の流れを変えてきた。

「そうだな。と言っても俺はほとんど予定埋まってるからな」

 大和くらいの人間であれば休みとなれば誘う人は多いだろうな。

「そうなんだ。残念。冬休みもどこか行こうと思ったのに」

「悪いな。俺も色々あってな」

「俺は言ってまま暇だからいつでも呼んでくれ!」

「ほ、ほんとーあ、ありがとーーぜーったいさそう」

 顔をそらしている。絶対嫌だったろ。

「椎崎様は冬休みはご予定ありますか?」

「忙しいです」

 とりあえず俺の妹との勉強会があるし、薫さんを見た感じ家の方も参加しないといけないことがありそうだ。

「たとえば?」

「プライバシーなので」

「わかりました」

 木佐山はプライバシーに切り込まないというポリシーがある。本人に見られないようにプライバシーをみることを除いて。

「みんな忙しいんだねーりんくんは?」

「妹からかれしばらくは付き合えない」

 あまり外に出たくない口実に妹を利用するのも兄としては許されないが、一番納得行く理由だし嘘はついていない。

「そっかー。ならあえて一、二回程度か」

 残念そうにする双葉。

「お前はなにもないの?」

「お母さんたちには顔を出すけどそれくらいかなー。あとはりんくんとデートの約束してるからそれ入れても三日くらいかな」

「データと言った覚えはない」

「あれーそうだっけ?まぁどっちでもいいじゃん」

 

「私はここで」

 木佐山が先に帰ることになった。

「おう。今日はありがとな」

「椎崎様がいるならいつでも呼んでください」

「わかった」


 木佐山がバックを持ち帰って行った。

「ほんと不思議ですよね。私なんかに」


「効力的には既にキレかかってます」

「そうなんだ。教えてくれてありがとう。また監視いや観察よろしく」

「承知しました。薫さま」

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