第135話 ファミレス

 六人でファミレスに来た俺たち。双葉は目を覚まし元の元気な状態に戻っていた。

 美咲も目は覚ましたもののまだ眠そうでいる。

「りんたろうっち何食べる?」

「ナポリタン」

「OK。なら俺はマルゲリータにしようかな。大和さんは?」

「ドリアで」

「わかった」

 上野が一人一人に注文をきき注文カードに記入をする。そのすごくなれた手つきはやはり俺と違ってこういう場によく言っていることがわかる。上野がしっかりまとめることができるほど。

「今日はよかったな。ほとんどバラバラだったがそもそも異色なメンバーだからな」「だよね。私もりんくんと楽しかった!」

 うれしい表情を見せる双葉。

「二人はどうだった?」

「楽しかったです」

 美咲は遊園地をでてからは再び椎崎美咲を演じるようになった。だが、目を覚ましたばかりだから無表情になることが多い。

「椎崎様が楽しかったのなら私も楽しかったです」

 木佐山はだけはスタンスが全くぶれなかったさすがだ。

「またこのメンバーで遊ぼうぜ。冬休みとかさ」

「また呼んでくだされば」

 内心は呼ばれたないと思っているが自分をよく見せようとする美咲だ。本当に遊園地にいる間は素の自分を出せていることがよくわかる。

「よし注文をした。ドリンクバー行こうぜ」

「俺待ってるから行ってこい」

 真っ先に俺が待つことを告げる。

「いいえ。椎崎様見てる必要があるのであなたも行ってきてください」

 木佐山も名乗りをあげる。美咲はまだやすせた方がいい。その意見は俺も同じだだから待つことを決めたんだし。

「あの、オレンジジュース飲みたいです。持ってきてくれます?」

 すると美咲が木佐山にお願いをしてくる。

「わかりました。では草加君は待っててください。下手なことを考えたら容赦しないので覚悟を」

 この短時間で手を出せるわけないだろ。

「いってこい。俺はリンゴジュースな」

「わかった」

 四人はドリンクバーの方に向かった。真逆だから少し時間がかかるだろう。

「あの、変ですか?」

「別にうまく隠せてると思う」

 美咲は遊園地の時の自分と変わりないか確認してきた。遊園地の時はというのは自覚を持ってのことらしい。これも薫さんによる洗脳なのかもしれないな。数少ない自分の居場所なんだし。

「よかったです」

「だが、疲れてるからだろうが無意識に表情がなくなってる。俺に見せる時みたいに」

「そうですか。わかりました。もう少し頑張ります」

 手で穂を押して柔らかい表情をするように練習を始める。その姿はものすごくかわいい。

「難しいですね。ちょっと疲れが大きいです。今日ははしゃぎすぎました」

 すぐに無表情に戻ってしまう。

「安心しろ木佐山がフォローしてくれる」

「そうですね。今日の彼女には感謝しかないです。明日また無言の戻っても驚かないでくださいね」

「これが異常なのが理解できてるから安心しろ」

 こんな自然と会話ができるのはまだ遊園地効果が完全に消えてないから。本来であればもっと冷酷な少女になるし俺に話しかけることはない。時間が立てばただ夕食を作ってくれる隣人の関係に戻る。

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