第118話 椎崎美咲を取り戻す②
俺が椎崎の見る目が変わったのはやはり文化祭だった。美咲は最初俺をじっこういいんにするようたのんできた。同タイミングで大和たちも頼んできていたな。俺は全力でそれを拒否をした。だが、くじ引きが俺の命運を分けた。俺がまさかくじ引きで実行委員になるとは思っていなかった。大和はもちろん椎崎にも喜ばれた。
そして木佐山に出会った。木佐山は美咲のガチ勢だった。彼女に従順で俺と美咲の関係を怪しんだのはあいつが初めてだった。それほど美咲の少ししぐさも彼女は見逃さない。いまとなっては俺も美咲の魅力を理解して1人だしその気持ちはわからなくもない。
そして美咲は仕事をやりすぎて体調を崩していた。大和に頼んで無理やり保健室に連れて行かせて解決すら思っていた。だが、ここから俺の運命は大きく変わった。
美咲を迎えに来たのは美咲の姉の薫さんだった。薫さんは美咲のことを「これ」と呼ぶように妹として見ていない。あのときの美咲を見る目は本当に酷いものだった。薫さんは俺に身をつけて観察していたのだろう。部屋を教えたりだんだんと俺と美咲を近づかせる。そうすることでより美咲が俺の命令を聞くようになったかを知ることができるから。
そして美咲は追加のお願いは聞かないよう俺と約束した。だがそれが裏目に出た。美咲は休憩含めた全てのことを拒否するようになった。俺の命令の仕方が悪かったせいだ。そしてそれをきっかけに俺たちの距離は生まれた。もともと料理を一緒に食べる程度の関係だったのに下手に関係を築こうとしたせいでそれが互いにイライラしていた。そしてその程度の関係だったから一度は会話もしづらい関係になった。ご飯は作ってくれるが会話がない。俺はそんな関係でいるのならいっそ関係を終わらせた方がいいと思った。だが、それを言ったところで美咲は否定して俺に合わせようとするそう思ったから俺はヒールになることを選んだ。あいつを傷つけて自分から離れるようにした。美咲の無理をして迷惑をかけていたことを理由に美咲を追い詰めた。そして美咲は泣いて逃げ出した。完璧だ。他の生徒にも見られているさらに俺は悪に成り果てた。これで解決。そう思ったのが失敗だったんだ。美咲が行方不明状態になった。結局本番で戻ることはなかった。クラスの連中はそれに焦っていた。探しても見つからないか現状に。そのせいで俺は美咲を探すよう命じられ泣く泣く流すことに。
そして屋上で美咲を見つけた。美咲に捕まってしまい、屋上から出られない。そこで美咲は友達になることを提案した。美咲は全てを吹っ切れて友達としてこれからも仲良くすることを選んだ。そして「椎崎」と2人きりの時に呼ぶのは禁止になった。俺たちはこれでよかった。このまま友達として入れればよかったはずだったんだ。だが、薫さんはそれを許してくれず俺に色々吹きかけ、さらに美咲に対しては記憶を消す条件をつけた。薫さんは美咲になんでも命令できる。記憶すら操作するいわば洗脳だ。
今、その薫さんの洗脳に争うことができるのは俺だ。俺は諦めないせっかく友達になった美咲をもう手放さない。薫さんの提案にも乗らない俺は俺のやり方であの人と戦い美咲を取り戻してみせる
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