第109話 そらせばそらすほど
テストは相変わらず悪くない点数をキープ。今日は楽しくすごせそうだ。
椎崎の点数はずっと話題に上がっていた。。
「椎崎さんがあんな点数悪いなんてね」
「でも切り替えが早いよね。さすが」
一部からは椎崎を気にしている声。
「まさかあの椎崎さんに勝てるとは」
「でも次回は惨敗確定だろうな」
そして一部からは点数が椎崎より高かったことへの歓喜だった。椎崎は昨日より人を使うのがうまいのか誰も俺に対するネガティブ発言が聞こえてこなかった。
そして放課後になった。双葉と外に出る。大和たちが少し用事があるということで校舎前で待つことにした。
「りんくん。今日調子悪そうだけど大丈夫?」
俺の方に顔をよせてくる。
双葉に気づかれるほど俺は追い詰められていたようだな。
「大丈夫だ。点数の高さのあまりテンション上がって寝れなかった。」
「子供みたいだね!」
双葉には言われたくない。
「でもよかった。ずっと何か考え事しているみたいだったから。ただ疲れてるだけなんだね」
しっかりしないとな。椎崎を引きづっていたら何も進むことができない。忘れよう。あいつとの思い出は。
「あ、きたきた!おーい!」
大和と上野が走ってきた。
「わるい。待たせたな」
「さっさと行くぞ」
椎崎の顔を見る前に目的地にむかわないと。なるべく早く記憶から抹消しないと。学校では無理だからせめて放課後だけでもあいつも見ないようにしないと。
今日は近場で双葉の買い物に付き合うことになった。自分へのご褒美を買いたいとのことだ。時間つぶしとしてもちょうどいいものだ。
「りんくんが放課後暇なのめずらしいね」
「そうか?割りと付き合ってるだろ」
俺は基本的に誘われればいくようにしている。帰りだって双葉と帰っている。付き合いでいえばいい方だろ。
「いやいや。少しだけ来てすぐ帰っているだろ。りんたろうっちが純粋に暇って聞いたときはめちゃくちゃうれしかったぜ」
「これからは暇になると思うテストよかったし」
椎崎との関係が終わったからといいたいが最後まで俺らの関係はバレスに終わったし隠す必要がある。
「ほんと!それじゃ毎日遊びに行けるね!」
「まじかー!じゃこれから遊べるな!」
上野と双葉が一気にテンションを上げる。この二人まじでキャラがにているな。
「俺も付き合える時は付き合うよ」
大和はクールなところをかわらない。
椎崎が終わったから今後はこの三人だけが俺と仲良くしてくれるのか。数少ない友達。大切にしないと。
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