第104話 順調テスト

美咲からしたら絶望的点数をだしていた。最初の返却以降も点数が悪いという噂が聞こえてきた。だがこれ以上、美咲がズタボロになっている姿を見たくなくどんな点数だったかは聞く気になれなかった。

「全部草加のせいだ」

 周りの空気は完全に俺のせいとなっている。もともと俺が文化祭の時にひどいことを下から調子を悪くした。とされている。ぶっちゃけ今回に関しては俺も全くわからないから俺のせいなのはあながち間違っていないのかもしれない。何より、あいつらの理想の椎崎美咲像を怖しくたくないから無理やり理由をつけているのだろうな。

「あの女が勝手に自爆してるのに。なんでりんくんのせいにされるのか意味わかんない」

 この俺が悪いという空気に不満を持つ双葉はため息をつく。

「お前が何もするなというから無視してるがさすがにひどいな」

 大和が珍しく怒りを見せている。こんな熱い男だったけ。というかめっちゃ怖い。

「お前らがいるなら他人なんて興味ない」

 結局口だけで俺に害があるわけでない。そんなのを気にしていたら俺の身っがもたない。

「いいこというじゃんりんたろうっち」

 上野は思いのほか点数が良かったようだ。返却までの不安そうな表情がきえ、いつものテンションの高い人間に戻っている。

「大和さん一位。俺は赤点なし。ふたばっちも高得点キープだから順位高いだろうし。りんたろうっちも含めて俺ら大勝利だな!」

「そうだね。今のところりんくんに負けなしだし後半も負けないから!」

 すごい自身気にいってるが前回赤点回避の比べ物にしてはいけない人間ですからね。もっと大和においつくとかの目標をするようにしてくれ。

「まだ油断はできないけどな。椎崎さんが調子悪くての一位だからあまりうれしくないけど」

 かっこいいな。どんな理由あろうと一位とれるならいいところを。しっかり実力で椎崎を越えようとする。その精神に尊敬する。

「今日打ち上げしない?まだ全部帰ってきてるわけじゃないけど」

「それいいべ」

「俺はパス」

 今の俺の最優先は椎崎だ。椎崎が大丈夫か確認したい。もしあいつが折れているのならなるべく支えてあげたい。

「なら今度予定決めて遊びにいこ!」

「それいいべ」

 上野は双葉を尊重するだけの男にでもなったのだろうか。2人とも思考は似てるとこあるし意見も一致するんだろうな。

「予定があえばな」

「やった。どこ行くか考えておくね」

 打ち上げで遊びに行く。それを俺がやっているほんとに数か月俺の人生にも変化があったようだな。


 

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