第103話 結果それは奈落
テストは進んでいった。二日目、三日目。俺は十分といっていいほどうまく言った気がする。初めてテストの返却が怖くない。大和や美咲といった秀才に教えられたと考えたらよくわないんだが・・・・
美咲の方は毎日調子を崩していた。俺の部屋にいることは変わらない。だがちょっとしたミスを連発していた。飲み物をこぼしたり料理を失敗したりと。最終日の前日に関しては見るに耐えれなくなり、夕食を作ることをやめさせてデリバリーですませた。それほど椎崎は弱っている。
そして現実を知る日がやってきた。最初のテストが返却される日だった。
「草加」
国語が返却される。
「前回に比べたらよくなってる。よくやったな」
先生に褒められた。これは期待できるな。テスト用紙をもらい開く。67点と書かれていた。赤点ギリギリだった俺がこんな点数を取れるとは。正直うれしい。
「双葉」
俺に続いて双葉か。こいつは地味にできる奴だったからな。点数も高いのだろう。
「りんくんみて!!」
はしって戻ってきた。そこには87点と書かれていた。
「お前やばすぎだろ」
「国語は私の勝ちだね!」
俺が勝つことは最後までないだろうな。ほかの教科も絶対に高い。
「りんたろうっちあぶねーよ。赤点回避だ!」
授業が終わるとすぐさま上野がきた。
「よかったな。それで大和は?」
のうのうと歩いてくる大和が答案を見せてくる。そこには98点と書かれていた。
「今回は簡単だった」
簡単だったの一言で済ましていい点数でない。こいつバケモンだろ。
「とはいえ、椎崎さんはどうせ100点だろうから。結局勝てないな」
美咲は調子悪いから確実に一位になれるとおもう。大和がこの点数ってことはテストが悪かったのではなく美咲の調子が悪いだけか。
「ねぇ聞いた?」
廊下がざわついている。
「聞いた聞いた。椎崎さんの点数でしょ。まさか私が勝てるなんて」
美咲の点数?やっぱり悪かったのか。
「椎崎さんに確認したときは赤点かと思ったけど超点数よかった」
「大和頼みがある」
「俺も気になるからなちょっと待ってろ」
大和をうまく利用すれば美咲の点数が聞くことができる。いい友達をもったものだ。
椎崎が廊下の女子生徒に椎崎の話をふっている。
「それほんと?」
「ほんとだよ。直接テスト用紙見たから」
少し話をして戻ってくる大和。表情的にも結構やばそうだ。
「生物の点数。56点だって」
ある程度予想はできていた。たか、まさかここまで低いとは予想できていなかった。
美咲いったい何があったんだ。これを追求できるのは俺しかいないだろうな。仕方ない。俺あいつの味方であるだからこそ知る必要があるだろうな
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