第96話 打ち上げだ!
打ち上げ会場はテーブルが置かれていて立って行うところだった。大きなテーブルには料理がならんでいる。
「今日はお疲れ!!!」
永島先輩がグラスを上にあげ宣言して俺らの打ち上げが始まった。
「倫太郎ッちいえ!」
こういうばにお似合いなやつがグラスをむけてきた。軽くグラスをあてた。
「りんくんいえー!」
そして双葉がきた。双葉は実行委員ではないが草加がたまたま見つけて大和が誘った。別に実行委員の打ち上げでなく文化祭の打ち上げであるため学校の生徒なら問題ないだろう。
「おう」
双葉にもグラスをあわせる。
「倫太郎君おつかれさまです」
さらに椎崎がきた。
「…」
そっぽを向いて軽く合わせた。椎崎は雑対応にご不満なようだ。でもしかたないだろ。
「りんくんずいぶん椎崎と仲良くなったようで」
しかたないだろ。だって椎崎と双葉めっちゃ仲悪いんだもん。椎崎は実行委員でのできごとまったくわからないし隠すためにはそうせざる負えない。
「私は草加君と仲良くなりましたよ。たくさん助けてもらいましたし」
椎崎が挑発を始めた。
「はぁ!りんくんどういうことかな?」
無視をしたい。もうしわけないが黙秘権を行使させてもらう。
「草加君。料理とりにいきましょ」
「りんくん私といくでしょ!」
二人してはりあわないでくれ。ほんと仲良くしてください。ここ打ち上げだから。
「倫太郎。おいしそうな肉あったぞ」
ナイスやまとベストタイミング。
「まじかとりにいこうぜ」
「おう!」
回避できた!大和のファインプレイに感謝。
「大和君。私もお肉食べたいのでついていきます」
椎崎はうまい。ここで大和にシフトチェンジするとは。
「なら私はりんくんといこうかな」
さらに双葉は返してくる。椎崎が大和と話すならというように間に入ってきた。
こいつらの攻防戦はすごいな。
食事中二人はずっとバチバチしていた。俺がちょっと行動するだけでそれについていこうとする。はたからみたら俺がハーレム状態にいると思われているだろうな。俺は全く認めてないが。
でもまぁこれも悪くないか普通に楽しい。こういう時間も大切だよな。
「双葉が大和たちとほかの場所にいった。これで楽にできる」
「そういえば木佐山は?」
二人のせいで見落としていたが木佐山の姿がなかった。
「用事ですって」
「そっか」
「ところでりんた・・・」
俺を呼ぶのかと思ったら窓を見て固まった椎崎。
「すいません。少し外でてきます」
椎崎が向いていた方を見てみる。すると二人乗りの赤い車を見つけた。高そうな車だし心配になってくる。
お手洗いを理由に椎崎を追いかけた。
「おい椎崎!」
「はい」
椎崎がおびえている。これは明らかに予想通りだろう。
「俺も行く。姉だろ」
ついにばらしてしまった。疑うような。知らぬ間に薫さんと関係をもっていたのだから。
二人で外に出るとサングラスを外し車に横たわって待っていた。
「ちゃんと気づいたんだえらいじゃん。それじゃ帰ろっか」
「ごめんなさいみなさんには用事があって帰ったとお伝えください」
止めるべきか。いや姉妹の間に入るのはよくない。
「??何勘違いしてるの?あなたの席どこにあるの?」
「え?」
「私が迎えに来たのはあなたじゃなくて倫太郎君だよ」
その言葉に俺たちは固まってしまった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます