第95話 謝るおれたち
「すいませんでした。その草加君は」
俺らが戻ってきたときには片づけを進めていた。そのなか永島先輩を見つけて謝りに行った。
「大丈夫。気にしないで。草加君もよく見つけたね」
見つけたのは俺だが実際は誰かに助けられた気がする。あの時の声いったい誰団だろう。
「ありがとうございます」
「二人も片づけ手伝って」
「はい!」
木佐山が1人で作業をしていたため二人で向かった。
「木佐山さんごめんね。私たちもやるから」
「椎崎様。ご無事で。こんなゴミが起こるなんて」
あの椎崎がいなかったとき擁護してくれたよな。なんかすげーひどいこといわれたのだけど。
「草加君も悪いと思ってるようなので許してあげてください」
あの椎崎さん。なんであなたもあやかっているのですか。そうなると本当に悪役みたいなんだけど。
「そうですね」
といいつつ鋭い目で俺をにらんでくる。これ見つかってなかったらひどいことされてただろ。見つかってよかった。
「椎崎様こちらは大丈夫なのでほかの人のところ行ってください。謝らないといけない人がいると思います」
たしかに大和たちには仕事を全部任せてしまっていたしあいつらには謝ったほうがいいな。
「わかったありがとう」
次は大和のところか。
「見つけてくれてありがとうございます。安心しました」
さりぎわにうれしそうな声で俺を言われた。見つけることができたのはほんとによかった。
「紅君」
椎崎が声をかける。
「もう大丈夫なのか?」
「はい。ありがとうございました。そのごめんなさい。私」
「別に気にしてないさ。元気なって何よりだ。倫太郎も冷静になれたようだしな」
ほんとに成人だなこいつ。もう頭あがらないぜ。
「悪かったよ。上野もありがとう」
おそらく椎崎はスルーするとおもい一応頑張ってくれた上野にもお礼を一応言っておこう。
「きにすんなって友達の失敗は仲間が支える、当たり前のことだろ」
何だこいつも成人に見えてきた。気のせいだな。
「椅子の片づけわたしも手伝いますね」
「ならこれ頼む俺ら奥からまた持ってくるから」
「わかりました」
二人から椅子を受け取った。
「あなたの周りの人はいい人ばかりですね。うらやましいです」
椎崎の周りは椎崎すらも信用しない連中だからな。
「個性が強すぎて優しいやつらが来ただけだろ」
「それがあなたの魅力なんですよ。普通なら見放して終わりです」
恵まれていないというなら嘘になる。椎崎と大和という二大トップと肩を並べていろんな人に嫌われているの俺だけだろ。怒らしくはないがいいステータスになっているな。
「打ち上げきてくださいね」
「わかってる」
永島先輩にはもう逆らえない。
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