第94話 所詮椎崎の仲間それだけ
椎崎と仲直り?いやあいつの一方的なふっきれで俺たちの関係は一日たたず回復してしまった。俺の計画は台無しだ。ここ最近の努力を返してほしいものだ。
俺たちはステージの方に戻ろうとしている。
「何やってるんですか?行きますよ」
泣かせた原因と泣いた本人が一緒にいるのを周りに見られる。それは絶対避ける必要がある。刺されるのは俺だし。
「あとから行くから先に行け」
「ダメです。誤解を生んだのですから。説得します。今回は早めに修正します」
抵抗するすべもなく。俺の手を引いて階段を下りていく。椎崎程度の引っ張りであれば簡単に抵抗できるが、こんなことになると俺がかなり悪い人だし。それを修復してくださるといわれると従うしかないだろ。
「あ、椎崎さん!!」
椎崎に気づくと一気に人が集まってくる。
「椎崎さんよくぞご無事で・・・なんでこいついるんですか?」
椎崎見つかったことの安心した顔から俺に気づいたことで一気に怒りの顔に変わった。
「お前が椎崎さんに近づくな」
一気に詰めてきた。怖いって。
「あの!草加君は悪くないです」
それを椎崎がしっかりと否定した。
「私が怒られないといけない状態にしてしまったんです。周りの人が優しくしてくれた中草加君だけはしっかり指摘してくれたんです」
必死に訴えかける椎崎。これはもう解決できるかもな。
「草加。お前。椎崎さんに何をした」
だが、椎崎の言い分を無視して俺につめよってくる。
「何もしてねーよ」
「なら椎崎さんがお前みたいな悪いやつを庇ったりしないだろ!」
椎崎のいっていることを完全に否定してきやがった。
「あの。聞いてください。本当で」
「椎崎さん我慢しなくていい俺たちが守るから」
椎崎が俺に従う?そんなわけないだろ。椎崎は誰になんて言われようと自分をしっかり保つことをわかったやれよ。
「もういいか」
ここにいても時間がもったいないさっさと体育館に戻ることにしよう。
「待ってください!」
取り巻きを退けて俺のとこに走ってくる。
「ごめんなさい無理でした」
「よく頑張った」
これは椎崎は何も悪くない。椎崎の周りが椎崎を無視して自分の感情のままものを言っているのが悪い。
「なんで誰もわかってくれないんですかね」
「前科もちだからな」
「それもうそですよね」
「まぁな」
ほんとかうそかなんてあいつらにはどうでもいい。敵を作って自分が椎崎を守っているという優越感を味わいたいだけだろう。俺を利用して好感がもらえてえうれしいか。真逆に好感度なんて下がってるぞ。
「ならしばらくはこの関係のままですね。次からは積極的に行きますけど。先輩には仲の良さばれてますし」
嫌でないけど単純にしんどいくなるな。椎崎がくるってことは取り巻きがその都度俺にどついてくるのだから。
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