第79話 次の日の作業。

 昨日は変な別れ方したから第一声をどうするかなやんでいる。普段通りにでいいのだろうが完全に決別されてたりしたら話すこと自体がタブーなわけだし。あっちから話しかけるのを待つにしろ終始無視状態だったらどうなっているのかわからないわけだ。

「りんたろうっちいくべ」

 そう悩み机に頭を置ていたら。後ろから声が聞こえてきた。

「どうした体調が悪いのか?」

 顔は見てないが誰がいるのかはだいたい想像がつく。

「今日ずっとこんな感じ。実行委員の仕事ってそんなに大変なの?」

「一年の俺たちにはそんな重大な仕事をまかされないしそこまでだと思う」

「なら無理につれていくか」

「自分で行くわ」

 顔をあげすぐに否定し歩きだす。上野につれていかれるとかごめんだ。

「そう来なくっちゃな」


 いつもの会議室に入る。大体全員そろっていた。椎崎の姿はないな。

「椎崎は」

 木佐山に声をかける。

「今先輩に怒られてます」

 理解ができない。謝罪とか褒められるならまだしもなんであいつが怒られるんだよ。

「何したんだ?」

「昨日遅くまで残ってたのがばれたらしくさぼっていた人たちがまず怒られました。それで椎崎様を読んで怒ってるわけです」

 自業自得としか思えないのだが。

「椎崎様から介入は禁止されてるのでやめてください」

「するわけないだろ」

 俺がいったところで止めれる気しないし。大和に任せるとさらにこじれる可能性あるし。

「昨日説得してくれました?」

「してない」

「わかりました」

 もう木佐山には認めてもよい気がしてきている。完全に俺らの仲がいいと思ってて話しやすい関係であるかのように進んでいる。自然すぎて一歩間違えたら簡単にぼろがでるだろ。


 少しして椎崎が戻ってきた。表情一つ変えず普段通りの姿が目の前にあった。呼び出した先輩たちは解消できなかったようでイライラは残っている。

「お疲れ様ですどうでした?」

「昨日の責任で今日の仕事増やされそうになりました。もちろんすべて否定しましたけど」

 ちゃんと言われたことは守ってるようだな。

「なら、今日は俺がゆっくりするか」

「無理です。今日からはほかの人の仕事は時間内にできること以外はする気ありません」

「ネタだろ何マジになってるんだ」

「そうなんですねごめんなさい」

 なにか様子がおかしいな。いつもの堂々とした姿はなくおびえている。昨日のせいで俺が怒っていると思われたかな。

「椎崎さま。今日はこちらの仕事をお願いします」

 俺から距離を作ろうとする木佐山。これは後ほど怒られるやつだな。何かしたわけでもないのに。

 それにしても昨日までの一人で背負い込む様子が全くなくむしろ平等を意識しているように見える。良い変化なのか。嫌な予感してくるな…

 

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