第74話 帰り道

 夕食をファミレスで済ませた俺たち。外に出た頃にはもう暗くなっていた。

「いや―きょうまじで楽しかったわ!」

 上野が俺に飛び乗ってくる。

「邪魔」

「マジでさ!りんたろうっち最高だわ。大和さんよく見つけてくれたわ」

「だろ。見た目によらずおもしろい」

 その光景を少し感覚をあけて見守る大和。その笑顔からは悪意は感じないが容姿を馬鹿にされて様な気がする。

「またどこかいこうぜ」

「しばらくはごめんだ」

 まぁ思っていた以上にいい時間ではあった。楽しかったし上野のこの純粋さ。俺は苦手だが悪いやつ出なくある意味信用できる。

「しばらくってことは誘ったらまた来るってことじゃん。早く予定立ててないと。けんたろうっちなんかすぐ予定作りそうだし!」

 間違っている。俺は予定はなくてもあると嘘をつくだけだ。

「そん時はまた俺も一緒に行くからな」

「今日みたいなことするなよ」

 今日は椎崎封じをされたせいで行く羽目になった。次回からもそうなると俺は365日いつでもいけるようになってしまう。

「もうやらないさ。今度はちゃんと来てくれると思うし」

「ほんとだぜ。何もないのに来ないとか俺悲しむからな」

「時と場合と状況と気分で決める」

「了解。次回もな。次はどこ行こうか」

 もう予定をたてようとしている本当に俺が何もないタイミングで決める気だなこいつ。

「今度は体動かすか」

 大和が提案してくる。それってつまり疲れるってことですよね。しかも大和って優秀なわけで。その分実力があるわけじゃん。

「お前とは絶対ヤダ」

「俺も、大和さんに勝てるわけないのに参加したくないわー」

「そんなこと言うなって楽しいぞ」

 大和はなんでこんなずっと笑顔で入れるのだろう。逆に怖くなってくる。

「あ、俺らこっちだからここでお別れだな」

 ようやく一人になれるようだ。

「それじゃ!!また明日学校でな」

「おう」

 二人は自分の家の方に歩いて行った。

 大和と上野か。あいつらは面白いやつらだな。あいつらなら大丈夫かもな。2人とも裏が全く感じない。警戒をやめるとまではいかないが今後も仲良くしていきたいかもな。


「大和さんがあいつにかまう理由よーくわかったわ」

「うるせー」

「でもいいのか?仲良くなったら」

「わかっている残処理をするまでだ。終わればすべて話す」

「ほんとかな。っま俺も気に入った。りんたろうっちはまじでいいやつ。そのせいで巻き込まれたんだろ。もし二人が…になっても俺はけんたろうっちの味方するぜ」

「別にそれでいいさ」

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