第73話 男子会開幕
「ということで!男子会はじっめべ!」
男子会。それは男だけで会話をする場である。
大和の策略により疲れる仕事を椎崎はさせてくれない。さらに椎崎が「今日は事務仕事がんばりましたね」と大和たちがいる前で話してしまったため嘘をつくことも回避できない。仕方なくいくことになった。
制服でファミレスに入るのも久しぶりだな。
「健太郎何食べる?」
「ピザ」
無難にピザを選んだ。
「ならけんたろうっちマルゲリータね。俺はベーコンの奴にするからシェアしようぜ」
上野が勝手にシートを書き進める。俺は選択を間違えたようだ。ピザのシェア。その線があることを忘れていた。パスタの方が正解だったな。
「なら俺もきのこのやつにするかな」
男三人でピザのシェアか。すごい絵図になりそうだな。
「それより大和お前」
「悪かったって。いいだろたまにはさ!」
さわやかな笑顔を見せてくる。
「ほんと大和さんわかってるわー」
最初は無理やり連れてきた感があるせいか申し訳なさそうにしていたが、店に入ったら大和はいいことしたと言い出してきた。吹っ切れるのが早すぎる。
「で、なんのようで俺を呼んだんだ」
「お前と食べたいからだよ」
「帰っていいか?」
「俺は本気だぜ。けんたろうっちと食事がしたいそれだけだ」
いってることは本気だろな。純粋さだけが上野のいいところだし。とはいえだ。俺はそのせいで椎崎の夕飯が食べれていない。その埋め合わせはしてもらわないと。
「ところでけんたろうっちさ。噂についてどこまで本気なんだ?」
その純粋さは武器になりえる。今上野がした質問に悪意はないだろう。仲良くなったから聞きたいってだけだろう。
「9割9分本当だ」
「つまりそのほんの少しの嘘がけんたろうっちを苦しめたと」
いまとなってはそれもどうでもよい。この結果少なからず接点が一生内はずの大和や椎崎みたいな全く出会わないだろ人たちと仲良くなれたわけだし。
「別に苦しんではないけどな」
「それでその事件に巻き込まれた原因は?」
原因。正直そこは誰にも話したくない。結局俺のせいなのはかわりないし。
「陽太。あんま触れてやるな。健太郎もいろいろ考えてるんだから」
大和が止めに入る。こいつは俺の過去を知る気はないからな。俺のことを理解しているのか一度もこの話題に触れられることはなかった。
「悪いが何も話すことはない」
「そっか。ならしかたないか。強要して嫌われたくもないしな」
優しいのかしつこいのかわからない。一貫して言えるのは友達というワードを大切にしてるということだろう。
「軽く言えば一番強そうなのに殴りかかって倒したと思ったら警察にバレた」
そんな優しさに何も話さないのも申し訳なく感じてしまい。ほんの少しだけ教えた。
「あれその事件って」
上野が何か知っていそうな発言をしてくる。
「もういいだろ。腹減ったし、暗い空気なりそうだし。ここで話やめようぜ」
だが大和は一刀両断してきた。
「それもそうだな!この話は終わりだ!食べるで!」
だが何もわからずこの話は終わった。上野は何を知っているんだ。類似する何かを知ってるというのか気になってしまうが聞くのはやめておこう。それを知ったところで何か変わるわけでないし下手に話題を再発させたくないからな。
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