第67話 危機的状況
椎崎と木佐山と3人でステージで使う小道具の確認をしていた。
俺は木佐山に頼まれて一緒に作業をすることになった。その時だった。あきらかに俺と椎崎が仲の良い関係だと知っているかのような発言をしてきた。
「なにがだ?」
「とぼけるスタンスですか。安心してくださいほかの人には言うつもりないので」
たんたんと話を進めていく。
「私のことは、椎崎様から聞いてるとおもうのではぶきますね」
「待て何の話してるんだお前」
怖い。たった二言ではあるが今の状態にふさわしい。今はごまかすことしかできない。
「椎崎様は他人には結構謙虚なんですよ。距離をしっかり作ろうとするですね。だけど、あなたとは違った。昨日初対面にしてはどこか落ち着きを感じました。あれは明らかに一回以上会話をしている」
こいつの分析力はすごいものだ。完全に椎崎を把握している。俺との会話。その一瞬の言動だけでほかの人と違うと判断した。
「それだけか?俺は知らないぞ」
「別に隠してもすぐばれますよ。何年椎崎様を見てきたと思ってるんですか」
めちゃくちゃ怖いのだけど。
「ま、あなたは椎崎様のことをなんとも思ってないようですしいったん放置します」
回避、できたのか?警戒はされないのだろうか。ひとまず喜ぶとしよう。
「一ついいか?」
「大和さんとは何にもない。それくらいわかってます」
質問をさきよみされた。これを知っているということは彼氏云々の話は俺のことをさしていたのか。
「勝手に想像してることだな。あくまで俺は否定し続けるだけだ」
この二人の面倒な領域には入りたくないし。かかわらないのが一番の正解だ。
「後ほど椎崎様にはこのこと報告していくので会話をしても問題ないですから」
隠し事をしないということか。やはり思ったより細かい気配りはちゃんとしているな。
「なんでそこまで椎崎が好きなんだ?」
「理由なんてありません。椎崎様は言葉表せない良さがあります。たとえ結婚がかなわなあく手も私はあの人についていきたいです」
細かい彼女の動きを省き椎崎への好意という分野だけでみたら尊敬という一言がふさわしい。不純な部分もあるかもしれないがそれでも椎崎への敬意はほんものだ。応援したい気持ちになるな。
「二人ともそっちは大丈夫?」
椎崎が声をかけてきた。本人はただ進捗聞きに来ただけだろうが救われたようなものだ。もう少し二人で会話してたら完全に木佐山にのまれていた。
「問題ないです!」
元気が元に戻った。いやさらに元気になったようなきがする。
「大丈夫だ」
「そうですか。では次はこれ見ますか」
「わっかりました」
木佐山は不思議な存在ではあるが完璧的になるような存在でもなさそうだ。警戒をおこたれば後ろからすぐ刺されそうだから警戒だけはしておこう。
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