裏の彼女を知る俺の話

第65話 反省会

「それでは反省会しますか」

　夕食を済ませると椎崎から提案をしてきた。俺に反省する余地はない気がするが。

「おまえ初日から距離詰めすぎだ。少しは俺のことかんがえてくれ」

　椎崎的には何をしても許される環境。だが俺は違う。一歩間違えれば一気に狙いの的になる。

「そうですか？大和君の発言からすごく自然と会話に入りこめたと思いますけど」

「大和が余計なことを言ったからな」

　今日は大和が一番悪い。もし俺との距離をつめやすい一言がないのであればあそこまで会話をできていない。

「いいパスもらいました。あれのおかげで第一歩踏むのがすぐにできました。楽しくなって話しすぎたのも間違ってないです。それは少し改めないとです」

　さすがの椎崎も反省はしているようだな。

「ならもう少し距離を作ってくれ」

「…仕方ないですね。でも、警戒するのはやめてください。あれものすごく傷つくんですよ」

「普段のお前はこえーんだよ。なんだあのいいひとオーラ全開の立ち振る舞いは」

　椎崎の本来の姿は本当に怖かった。優しすぎる。何か裏があるんじゃないかと思って得る行動だった。

「仕方ないじゃないですか。あの感じにしていないと元気ないって言われるんですよ！スタートでキャラ間違えて私も苦労してるんですから」

　強く訴えかけてくる。どうやら想定外の食いつきがあったせいで巣に戻るタイミングを見失っているようだ。

「まぁあれだ。どんまい」

「まったく。ほんと倫太郎君と距離をつめるのも一苦労なのに木佐山さなはあいかわらずで私も大変なんですから」

　後者は前者に関しては俺的には立て込んでるようなら望まないことなのだけど。

　今日木佐山についてもだいぶ理解できた。

「まさかあそこまでガチ勢だったとはな」

「今日はあの程度ですんでよかったです」

　え、何あれでも普通のほうなのか？

「まて、彼女もっとすごいのか？」

「大和君だから何とかなると思いますが確実に目を付けられましたね。私と付き合う可能性がある人は観察し始めるので」

　自分以外の椎崎と関係を深める人間は許さないってわけか。え、まてよ。

「俺らの関係ばれたらまずくないか？」

「常識あるのでこちらが踏み外さなければそれはないので安心してください」

　あのスキンシップで常識があるね。俺からしたらだいぶ過剰で非常識に見えてしまったが。基準がわからん。

　「幸い。担当決めは先輩の独断と偏見といっていたので彼女と一緒になる可能性が薄くなってほっとしています」

　それは俺も同じだ。椎崎や大和と同じになる可能性はかなり少ない。

「ま、すべては明日ですね。班が分かれればかかわることは減るので」

　ここまで拒絶されるって逆にすごい気がしてきた。