第61話 彼女の存在
夕食を食べを食器を片付けた。椎崎はソファーでくつろいでいる。しばらくは帰らないだろう。
「そういえばお前休み時間に木佐山がどうとか話してたよな。あれなんのことなんだ?」
「聞いていたってわけでもないですよね。さすがにあの大きな声で聞こえていないなんて言えませんね。ほんとに本人に聞こえるようにいって何のつもりなのか」
注意しても無駄なのだろう。むしろ注意をいただけたとなってらちが明かないド変態がいるのもある。
「木佐山さんはそこまで目立った人でないですよ。簡単に言えば私が告白されただけです。隠してはいたんですが少し漏れまして。あ、でもちゃんと一部の人だけで広めるのはやめさせましたからね」
え、それだけのためにあんな本人にも聞こえるように話していたのかよ。やばすぎるだろ。そもそもあれ聞いてもピンとくる人間がいない。だから立候補したとき誰も気にしなかったのか。大和もおそらくわからないだろうな。
「だが、それだけで悪い噂ってわけないだろ」
「一回告白断ったらそこから週に一回お手紙をもらいました。誕生日もどの人よりも豪華。しっかり研究してるから私の好きなものの盛り合わせ。あとはですね」
「まてまてまて。溺愛しすぎだろ」
思っていたよりもレベルが高くてつい止めてしまった。ストーカーレベルだぞこれは。
「あ、でも住所は知りませんし付きまとうようなこともしてません。一戦は超えてません。高校なってからは一度も話してないですね」
俺からしたらだいぶ一戦は超えていると思う。おとなしそうな彼女にそんな一面があったとはな。
「なるほどな。お前限定のやばいやつ。あいつらが止めようとしてるのもなんとなくわかるな」
「私としては実害ないので問題ないんですけど。まぁ今回は狙っているので文化祭中に告白はありそうですね」
狙っている。椎崎が誰にも話してないことからそれを予測したということになる。大丈夫なのか心配になるのだけど。なぜ本人である椎崎が落ち着いていられるんだろ。
「お前はやっぱすげーわ」
「さっきもいいましたが一線を超える人でないんですよ。いわば少し恥ずかしがり屋の私の周りにいる人たちですから。私的にはかわいく感じてます」
コミュニケーション能力的に話にはいけない。だから手紙がメイン。告白したのも相当緊張していたのが想像できる。
「あ、これ誰にも話さないでくださいね。本人は気にしてないと思いますが広まってきもがられるのはかわいそうなので」
「安心しろ。それ話したら怪しまれるから絶対にしない。
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