第57話 実行委員してください!
「りんくんじゃーね」
放課後双葉と遊んでからアパートについた。そのため少し遅くなってしまった。椎崎に連絡をするのも忘れていた…。いままでの連絡先知らないからが通用しない今、怒られそうだな。合鍵は渡しているし俺の家にいる可能性もあるな。
部屋のカギは空いていた。やはり椎崎は俺の家に入っていた。
部屋に入るとテーブルに料理がならんでいた。そしてそれを作った本人はソファーで眠っているようだ。二人分並んでるし待たせてしまったようだな。
「椎崎。今帰った」
「ん、んー。おはようございます。遅かったですね」
「道草くってきた。悪い」
「いいですよ。さ。食べましょう」
怒ることはなく優しく包んでくれた。
「メンチカツうまいな」
「ありがとうございます」
なんだろう。怒っているわけではない気がするが今日は口数が少ないな。
「そういえば文化祭の準備が始まりそうだな」
「そうですね。早く終わってほしいです。その話題になってからいろいろな方から当日回ろうといわれました」
もう誘われてるのか。
「さすがの人気ぶり」
「ほめないでください。大変なんですから」
人気者からしたら文化祭のような行事は嫌いなのか。大和といい避けようとしている傾向があるな。
「それで提案なのですが。実行委員になってくれませんか?」
大和と同じ提案をしてきた。
「なんで俺が」
「私がやるからです」
こいつも実行委員に逃げる作をとったか。当日も忙しくなるからお誘いを断る口実になる。なんか立候補う理由が皮肉れているが能力的には適材適所だろう。
「で、俺がやる理由は」
「枠減らしです。あなたが入ってくれればあなたのクラスの男子からは私に付きまとう人がいなくなります」
もう怖いはこいつ。大和の方が優しく見えてくる。どんだけ付きまとわれるの嫌なんだよ。
「そのためだけに仕事増えやしたくない」
「そうですよね。無理にお願いもできませんし仕方ありませんね」
折れるのもはやいな。
「ま、くじで当たったとかなら仕方なくやるしかないけどな。そうなったらお前が忙しくなるから覚悟しておけ」
「むしろそのほうがいいです。ダメなあなたのサポートをする私。これは周りから評価されあなたと一緒になれます。完全にウィンウィンなんですよ」
そこまで見越しての誘いだったか。悪知恵とでもいっておくか。
「そういえば、倫太郎君って大和君と仲いいんですよね。彼は何かいってました?」
「逃げるために実行委員になるといってた」
「それはありがたいですね。大和君のクラスからもつきまとう人間はいないと…。だったら倫太郎君入っても友達いますしいいじゃないですか」
笑顔で誘ってくるな。大和め。こういうときにでてきやがって。
「それでもする気ないぞ。あいつにも拒否したし」
「…そうなんですね。仕方ないですね」
え、落ち込むの俺にそんな実行委員になってほしいの。
その程度で実行委員やるくらいなら大和に誘われた時点で俺はやっている。ここは頑固になって絶対実行委員にならないことにしよう。
フラグ?そんなことはない。
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