第52話 大和と双葉
椎崎が学校休んだそれだけで教室周りで大騒ぎになっている。
「誰か家知らないか?」
「知るわけないだろ。椎崎さんはプライベートのセキュリティ硬いからな」
みんなお見舞いに行きたくてもいけない状態である。椎崎は学校だけの付き合いの連中には家どころか休日の過ごし方なども話したことがないらしい。家の場所は知られたらストーカー被害にあいそうだし気持ちはわかる。休日にの過ごし方に関しては…話したくないではなく話せないんだろうな。シンプルにギャップがすごいし。
「じゃぁどうすんだよ!」
「復活を待つしかないのか」
俺は知ってるけどなあいつの家。教える気はないがな。
「りんくんおはよ!」
「おは」
椎崎ムードでも全く気にせず俺に話しかけてくる双葉。今日も元気なことだ。
「なんかすごい騒ぎになってるな」
それに大和も同類か。こいつに関しては付き合ってる疑惑もでてるし巻き込まれるから避難してきた方だろうな。
「双葉はまだしもお前はちゃんと考えて行動しろよ」
「お前もそれをいうのか…」
落ち込んだ様子だ。
「ここ最近お前と話してる目撃者から色々と言われて大変なんだよ」
俺の見ていないところではまだ俺はの悪い印象を広めようとする奴がいるんだな。いなかったとしても俺みたいなやつが話してるをいいと思う奴は少ないだろうからな。逆恨みもいいところだぜ。
「なら無理してこなくていいだろ。放課後とかだけでも」
椎崎のほうはいまだにバレてないしな。大和も器用だからそういうのはできるだろう。
「いや。俺を見てみんなが倫太郎は怖くないって思ってくれればいいからさ」
こいついい人すぎる。なんだよ。照れてくるじゃないか。
「その優しさ逆に怖い」
「そんなんじゃない。表ずらがいいだけさ」
椎崎のおかげでこういうやつできた人間の表情は理解している。今作り笑いに変わったなほのあがりかたがいつもの笑顔よりも高くなってる。
というよりこれすらも表顔なの?なら裏は恐ろしく怖いだろ。絶対俺が壊れるくらいの暴言吐いてるだろ。
「大和くんが味方ならもうりんくんに怖いものないね!」
「やめてくれ」
「お前がして欲しいならお前を悪く言ってるやつを注意くらいはしてやるぞ」
誇らしげだ。これは自信の表れだな。表情豊かだし切り替え速さなんなんだよこいつの有能さわ。
「絶対やめろ。お前がいる時だけいい顔される」
「それもそうだな」
「ねぇ今日3人でゲーセンいかない?」
だんだんと俺と双葉だけでなく、大和も定番になってきたな。仲良し3人組ってやつか。
「お、いいな付き合うぞ!」
大和はノリがいいからな。付き合いは必ず参加するようなやつだろうな。
「お前部活あるだろ。そもそも俺は用事あるから無理だ」
「え、部活?とっくに辞めてるぞ」
えー俺初耳なんだけど。聞いたこともないけど。まさかの部活やめていた。しかもとっくにということは俺と会う時にはやめてたんだな。
「なんで」
「スポーツは遊び程度がちょうどいいって気づいたからな」
意外な返答に困る。思ったよりスポーツへの本気とば冷めていたようだ。なら、俺と組んだ時マジでやるなよ。俺を楽しませる接待プレイしてくれよ。
「りんくんこれないなら2人で行こっか」
「双葉が構わないならいく」
回避成功。流石に椎崎の昨日の状態見てたら大丈夫だとしても様子を見に行きたい。双葉が俺以外の奴とも仲良くしようとしてて個人的に嬉しい。それも大和となら輪も広がるだろうし。今後に期待だ。
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