第47話 大和の人柄はやはり

 教室に戻り双葉帰っている。なぜか大和も加わっている。

「ほんと悪かったな」

 大和が謝ってくる

 俺はなぜか大和に罪をなすりつけたことになってる。詳しい原因については触れられていないため俺も知らない。

「りんくんが誰かの悪い噂とかするわけないじゃん。大和君もひどい人だよね」

「もういいから」

 大和との機転の利き方には感謝してもしきれない。

「それにしてもりんくんと大和君が一生にいるのが不思議。椎崎さんと付き合ってるんでしょ?」

 双葉からしたら椎崎や大和のような周りの人気者が俺と一緒にいることが不思議なようだ。

「あれはみんなの思い違いだよ。椎崎さんが苦しそうだったからつれていっただけ。周りの人じゃ無理やり連れて行こうとする人もいないし」

 加えて話の捏造がうまい。否定するところはちゃんと否定するが隠すべき点。つまり俺から言われたいう部分をはぶき納得するような理由を作る。高スペックだとこんなこともできるんだな。

「りんくんはどう思ってるの?こういう人苦手でしょ?」

「思ったよりちゃんとしてるやつだからな。俺からは会いことはないが大和から来るなら別にかまわない」

「それ褒めてないだろ」

 褒めてない。

「私はうれしいよ。りんくんのいいところわかってくれる人がいるのは。りんくんこういう性格だから周りから理解されることあきらめてるからさ」

 だって俺がどうしようが椎崎とか大和とかに頼らないと理解してもらえないし。とはいえ他人によって印象操作されるのも気に食わない。

「そういうところが気に入った。それに運動神経いいし。体育で俺に好かれようともせずむしろつぶしにくるように思いっきりやってれて楽しいしな。俺の友達にはいないタイプだからこれからも仲良くしたいな」

 双葉といい、大和といい、椎崎といい。俺と仲良くしてるやつっていいやつなんだよな。もっと素の自分をさらだしてもいいやつと思われそうなんだがどうも建前動いてる感じなんだよな。

「あ、俺こっちだから。またな」

「またね大和君!」

「じゃ」

 大和は駅の方に向かっていった。

「大和君とこれからも仲良くするの?」

「するつもりだけど」

「そか」

 残念そうにする。

「りんくんは私のものだけになくなるのか。仕方ないか。りんくん優しいし」

「だからといってお前と話ことが減らす気はない。別にいつもお通り話しかけてくればいいだろ」

「邪魔じゃない?女子だよ?」

「今更男女の壁を作るわけないだろ」

「よかった―これで一安心だ」

 そんなひどいことはしない。今俺が双葉から離れれば一人になるから。

「あ、もうついたね。またねりんくん!」

 俺の住むアパートについた。

「それじゃ」

 そのまま双葉は走っていった。

 

 

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