第45話 安心から生まれる不穏に空気
椎崎の心配は一瞬にして消え去った。
「ねぇみた?あの二人。すごいおにあいだよね」
「さっすがクラス1のプリンスだよな。無理にでも保健室につれていくやさしさに俺は感動した」
だが、新たな状況によりにぎやかさは激化しているのかもしれない。
大和を利用して椎崎を連れて行かせた。完璧なプランである。
完璧であったがそれゆえに椎崎と大和のカップリングを作ってしまった。最高峰の二人が並ぶそれは神々しく最強カップルの誕生ともいえる。あそこまで無理やり助けた動き。それはもう付き合ってるからこそだといっているものもいた。
「ふぅ。とりあえず保健室に置いてきた」
「お疲れ。でなんだった?」
「発熱してたみたい。最初抵抗はあったけど途中で疲れ切って今はベットでぐっすりしてる」
熱だったか。そうとう疲れもあったしそのせいだろうな。
「よかった」
「なんかいったか?」
「めんどうなことが終わってよかったいったんだよ」
普通に安心して声が出てしまった。
「お前の優しさが彼女を苦しみから救ったんだからな。忘れるなよ」
「人気は全部お前にやるよ」
俺の静かな環境を作るために決めたこと。優しではない。ただの自己満のようなものだ。
「その人気はいつかお前に返すからな。覚悟しておけよ」
俺何されるんだよ。
「あ、もう授業だ。じゃーな」
自分の教室に戻っていった。
そこから椎崎大和カップルの噂でうるさくなったが大和が一刀両断しまくりそれすらもなくなっていった。放課後になるころには噂はすべてなくなっていた。あいつの力の姿をさいど実感できた。
「りんくん帰ろ!」
双葉が声をかけてくる。椎崎の様子を見たいところだが立場上難しそうだし帰っか。
「わかった。荷物入れるから少し待ってろ」
「うん!」
すごくうれしそうだ。
「じゃ帰るか」
「うん。いこ!」
俺らのカップリングはどうどうとしてもも無視されるレベルで助かる。
「草加!!。まだ帰ってなかったな」
大和が走って教室にやってきた。なんかものすごく怒っている。
「なんだよ」
「先生が呼んでる。俺と一緒にこい。双葉さんは先帰るか教室で待っててもらっていいかな?」
「わかった待ってるから終わったら来てね」
逃げられないよう腕をしっかり握られ引っ張られていく。
先生が呼んでるって。俺なんか悪いことしたのか?
「帰っていいか?」
冤罪で怒られるのはごめんだ。
「安心しろ嘘だから」
振り返るとイケメンスマイルを見せる。
「お前が何か隠してるんだろうと思ったし、誰かにバレるのもやっかいだろ。だからあえて起こった風に見せただけだ。悪いな」
イケメンで天才でスポーツ万能ってだけでもステータスたけーのに、演技力まで一流と来たか。
「で、誰が呼んでるんだ?」
「椎崎さんを迎えに来た人」
「なんだよ帰ってなかったんかよ」
「放課後まで難しいらしくてな。1人にしたら無理すると悪いからと迎えが来るまで保健室にいたらしい」
「てかばらすなよ」
本人ならまだしも他人にほかの奴のおかげとかいえないだろ。
「ばらしたというよりはばれただな。ほんとは誰が助けたのか問われて折れた」
大和をいいまかす存在か。椎崎の親族だろうし相当鋭い人なんだろうな」
保健室につき扉をあける。
「あ、きたきた!」
目の前に現れたのは親にはみえないかなりの美女だった。
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