第44話 使える友こそ真の仲間

 椎崎のふらついてる行動はクラスの中でも心配しされている。大怪我を隠しているのではないかとも言われている。様子を見れてるわけでもないからよく変わらないが噂が大きくなってる気がする。本当はただの筋肉痛なだけなのに。

「椎崎さんどこ行くんですか?おぶっていきますよ!」

 椎崎も大変だな。心配されるだけでなく助けようとする人間が現れるんだもんな。

「大丈夫なので。気にしないでください」

 そういいつつもふらつく。ほんとに大丈夫なのか。今にも倒れそうで怖い。

「ほらふらついて」

 椎崎を支えるかのようにふれようとする。

「触らないでください!」

 その手をはらう。建前とはいえずっと優しい姿を見せていた彼女が拒絶する姿を見せた。

「ごめんなさい。その気にかけてくれるのは嬉しいですから」

「ごめん。俺も気をかけすぎてました。何かして欲しいことあれば教えてください。なんでもしますので」

 あんなことをされてもなお彼女に好かれようとするんだな。

 それにしてもやはり今日の椎崎はおかしい。筋肉痛ってだけでここまで変化するのだろうか。そもそも筋肉痛で寝坊したって色々とおかしいだろ。 

「草加どうした考え事をして」

 大和が話しかけてくる。俺のところにくるとざわつくんだよな。

「なんでもねーよ」

 とはいえ、ここで無視してどっか行こうとすればしつこくつきまってくるようなやつだ。今ここで話したほうがはやい。

「そうか?お前が何も考えず廊下をみるようなやつじゃないだろ」

 こいつは俺のストーカーか何かかよ。普通にこえーよ。

「今日なんかざわついてるから。気になっただけだよ」

「椎崎さんのことか。たしかにみんな心配してるよな」

 大和はそこまで意識してないようだな。このイケメンレベルとなれば美女に好かれようとしなくても相手からたくさん集まってくるんだろうな。

 だが。俺はこの大和の性格は逆に好都合なきがした。

「お前暇だろ」

「暇だけどなんだ?」

「廊下がうるさいから椎崎…さんを保健室につれていってやれ。なるべく無理やり」

 さらに嫌われて俺の世界へどうぞ。じゃなくて、いつも呼び捨てにしてるせいでさん付け忘れるとこだった。これもどうでもいいな。

 こっからずっとつらそうなあいつを見てるがやにいらついてきている。とはいえ、俺が急に保健室につれていったら互いにめんどくさい噂がでてくる。だが、大和なら優しい大和で人気向上だろう。

「なるほど」

 なんどそのすべてを察した感の顔は。

「わかった。本人嫌われるかもだろうが、お前の頼みだし聞いてやるか。話せる環境になったら詳しく教えろよ」

 なにこのイケメン。友達想いなところか男ながら惚れてしまうだろ。


「え、なんですか?はなしてください!!」

 ほんとに無理やりもっていった。お姫様だっこ。なんだこの最強タッグの幸せオーラは。周りにいる連中は皆見とれている。

 とりあえずこれで解決だな。安心して寝れる。いい友達をもったもんだ。

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