第42話 痛みのなかでの登校
筋肉痛が思っていた以上にこたえている。1日で回復すると思ったが2日目もだいぶきつい。正直、登校するのもきつい。高校入って琴音と合わなくなったから運動量は減ったとはいえ、半年でここまで衰えてしまうのか俺。
あの2人仲良くなった。きょうのできごとを妹に話されたらどきつい運動がまたやってくるだろう。無理でも学校に向かわねば。そういえば椎崎はちゃんと進路の話をしてくれたのだろうか。
一歩一歩足に痛みを与える登校。これはきつい。幸い今日体育ないから危険なところは回避できる。
「りんくんおはよ」
俺に見つけると毎度飛び込んでくる双葉。のしかかったてきたしゅんこん一気に激痛がはしる。痛すぎて思わず膝をついてしまった。
「どうしたの?大丈夫?」
俺から降りて心配する双葉。
「びっくりして力抜けただけだ」
筋肉痛ってこんなだったか。普通に足が捻挫したレベルでやばいのだが。昨日は普通に歩けていたのに何があったんだ俺のあし。
「そっかー」
「あ!私早く行かないとだった!ほらいくよ!」
立ち上がると腕を掴まれ引っ張られた。走りだし始める。
「なんで俺も急がないといけねーんだよ!」
なるべく走るのはさけたい。守りたいこのボロボロになった足を。
「つべこべ言わない!」
朝から地獄の始まり。足の痛みに耐えながら双葉に引っ張られ走る。
めちゃくちゃ痛い。ほんとぶっ壊れるって。
「りんくん。足ケガしたの?」
途中でようやく俺の違和感に気づいたようだ。
「ただの筋肉痛」
「ほんと!さきいってよ」
双葉が俺が何か言おうとする前にもう行動に移していた。急ぎのようがあることもあり走るのを止めてもどこかそわそわしている。
「先行っていいぞ」
「ごめん。ありがとう」
この光景見て置いていくっていうのも難しいだろうな。
双葉もいなくなったことだし自分のペースが学校に向かうとするか。
孤独になった俺はまっすぐ進んでいく。見慣れた道路、見慣れた建物どれもいつも通りだ。だが。そんな俺にも変化が生まれたようだ。一人歩こと。静かな光景を久しぶりに感じだす。数週間前までこれが当たり前だったはずだ。それが今となっては寂しく感じてしまう。事件以来、怒涛の時間が始まり一人になることもほとんどなくなった。椎崎の介入もそうだが双葉や琴音といったコミュ力おばけがいるせいだ。そのおかげかやはり孤独のつらさを実感している。
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