第29話 妹来る
俺の妹である琴音が遊びにくることになった。そして、椎崎を説得している時にあいつはやってきた。そして、俺らが家の前で会話していることを聞かれさらに写真を撮られた。
「その椎崎美咲です。倫太郎くんとは先月知り合いになりました」
「なるほど1ヶ月でそういう仲ってことですか。りんにいはモテないと思ってたけど考え直さないとだな」
椎崎のやわ辛い否定は一瞬に消し炭になり1ヶ月でもう付き合ってると話になった。
「琴音。椎崎に迷惑かけるな。俺たちは付き合ってない」
「なるほど隠れて付き合ってるってことか。美咲さんと付き合ってるとバレたらりんにいの命も危ういからね。安心して私は周りに話したりしないから!」
こうなるから椎崎と合わせない方が良かったんだ。琴音はスポーツバカである。スポーツ万能な陸上の選手。全国でも長距離走で有名で体力バカで有名だ。何事にもまっすぐでいい方向に物事を考える。そして、次元を変えると今のように勘違いをさらに捻じ曲げるクセがある。
「あのですね。私と倫太郎くんはたまたま家近くて」
「家が近い!運命ですね!」
「だからその」
俺が見たことないほど焦りを見せている。否定が全く通じないのはほとんど見ないケースだから対応しきれないのだろう。
「りんにいもりんにいだよ。彼女さんと会うなら私も日程変えたのに」
「今はたまたま会っただけだ」
「倫太郎くんが家に来たからですよ。あ、」
焦りのせいからか椎崎も地雷を踏みまくってる。
「それをたまたまっていうんだ」
「それより琴音。お前なんで運動着きてんだ?」
俺は今日、琴音と買い物に出かけると聞いている。だが服装は買い物に行くような奴が着ないようなガッツリ運動着である。
「決まってるんじゃん。りんにいと体動かそうと思って」
「買い物はどうすんだ?」
「え、嘘だけど」
あっさりと否定をしてきた。
「そうだ。美咲さんは今日暇ですか?」
「え、えーと」
「そうだ。椎崎は予定があったんだよな」
今暇だとわかれば必ず誘うだろう。椎崎は色々と対応力が落ちてるからカバーしないと。
「あ、そうなんですか?」
「その。ないです。1日暇です」
あの椎崎が完全に琴音のペースに持って行かれた。
「ほんとですか!なら一緒にいきましょうよ!」
「え、とその。はい。同行させていただきます」
完全に折れてしまった。諦めたと言った方がいいのだろうか。口調も全く違っている。
「ってことで行きますか!」
颯爽と走り出す。
「悪いな巻き込んで」
「いえ。気にしないでください。私も少し体動かしたかったので」
「あーそれなら自分のペース忘れるなよ」
「何がですか?」
「あいつの運動は普通じゃないから」
「なんか心配になってきました」
「何話してるんですか?2人ともいきますよ!」
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