第28話 妹遊びにくる
あーまずい。とてもまずい。妹の琴音がくる。
くる分にはさほど大きな問題ではない。だが、隣に椎崎がいるってこと。それがバレたらものすごくめんどくさい。絶対付き合ってるのかと聞かれる。勘違いされれば椎崎からしで迷惑だろう。だが、そういうのは積極的に話しまくるのが琴音だ。
とりあえず本人に近くにいないよう話さないと。そう思い彼女の部屋の前たっていた。
ピンポーン。
インターホンをならす。
「なんですか?」
すごくご機嫌斜めな表情を見せてくる。
「朝早くから悪いな」
「別に私早起きなので気にしないでください。それでなんのようですか」
「今日のご予定は?」
「ないですけど。どこか行きますか?前は付き合っていただいので私も付き合いますよ」
「いや、ないならいいんだ。頼むから今日一日家から一歩出ないでくれ」
会う可能性を0にすれ馬解決なのである。予定がないならものすごく楽だ。家から出ないという最善の選択ができる。
「嫌です。なんであなたに制限されないのいけないのですか?」
少し怒っている。言葉に鋭さを感じる。
「少しめんどくさい状況になりそうだから、先に対応したいだけだ」
「…。少し気になります。何が起こるんですか?」
「妹がくる。あいつの性格上、お前が邪魔になる」
「邪魔?それどういうことですか?」
言葉を間違えた。もっとオブラートに包むべきだった。
「気分を害してたなら申し訳ない。そのだな」
頭を下げる。
「なんですか?その反応。ますます気になりますね。妹さんと私を合わせると何がまずいんですか?詳しく教えてください」
「なんでもいいだろとにかく家から出るないでくれ。それだけでいいんだ」
だんだんと彼女は妹に興味を示し出した。早くこの場は終わらせたい。
「なるほど話したくないと。でしたら」
外に出てきて扉を閉め鍵をかける。外出してくれるようだ。これは助かる。
「あなたの家またはあなたの家の前で妹さんを待つとしましょう」
や、ば、い。鍵かけたじてんで無理に家に入れてこの場だけ乗り切ることすらできなくなった!!
「それはまじでまずいからやめてくれ」
「いいですよ別に。こんな可愛いことお話ししてたらそりゃ勘違いしますもんね」
ものすごく乗り気だ。
「こうなったら仕方ない。いつものように明るく振る舞ってくれ。そして間違ってることいわれたらしっかり否定をしてくれ」
この場を乗り切るためにはそうするしかない。
「はぁ。ここまで追い詰めても話す気はなく。会うことを許すってわけですか。なら今日は黙ってますので、うめあわ…」
急に言葉を止めた。
「どうした?」
「え、とその。後ろ」
カシャ。
後ろからシャッター音が聞こえる。
「お兄ちゃんが美人さんを彼女に…」
この声は…。
振り返ろうとすると走ってくる音が聞こえた。
「私、りんにいの妹の琴音って言います。りんにいとはいつから付き合ってるんですか?
「え、えーとその」
あの椎崎が琴音のテンションに動揺している。
これは波乱の幕が開けるだろう。
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