第25話 ホラー耐性MAX

「今度はこれやろ!」

 最恐ホラーシューティングとかかれたゲームを指さしてくる。

「大丈夫か?」

 椎崎のいっけんもあることからホラー関係には少し抵抗がある。こいつも椎崎みたいに好奇心だけで入ってずっと叫ぶんでわないかと。アトラクションと違ってゲームセンターは人目もある叫ばれたらすごく恥ずかしい。

「え、この程度で怖がる人いるの?」

 確実に1人はしっている。

「とか言って叫ぶなよ」

「それは難しいかもな」

 頭をかく。少し照れを見せている。

「なら入りたくない」

「耐えるから。お願い」

 形だけお辞儀をしてくる。表情は確実に「こんなこともするんだから入って」と言っているようなものだ。

「はぁ。叫んだら俺だけ出るからな」

「それで大丈夫」

 中に入り座る。お金を入れると動き出す。

 見た目からしてものすごく怖そうだ。流石にお化け屋敷とかのレベルではなさそうだが。

「じゃあシューティングはお願い。私見る担当」

 シューティングゲームで見る担当というのは初めて聞いた。

「いや参加しろよ」

「やっても当たんないから」

 さらにこれを選んだ理由が謎だ。とりあえず叫ばれる前に終わらせるか。

「あほーねぇあれゾンビ!!」

 しかし、俺の考えていた叫ぶとは全く違う別物だった。

「血すっご!!」

 こいつの叫ぶは怖いとはいうわけではない。怖いのが大好きで興奮が抑えられないからだ。

「ねぇあそこ!!」

 腕を揺さぶってくる。

「狙えねーから」

「あ、ごめん」

 手を離す座り直す。

 静かになり落ち着いた様子を見せるが目を双葉に寄せると震えを抑えているのがわかる。


 3ステージ目までは難なく突破できた。

「りんくんうまいね」

「FPSとかはやる方だからな」

 シューティング系は慣れてるとはいえ、流石にやったことのないゲームだしそろそろゲームオーバーになりそう。

「なるほどねぇ」

 反応が薄い。

「お前飽きてきただろ」

「そ、そんなわけないじゃん。すごく面白いよ。怖いし…。怖いから」

 このゲームの怖さに慣れ始めてきたようだ。俺が画面のほうを見るとさりげなくスマホを取り出しいじり始める。さっきの興奮を抑える様子も全くない。

「あー負けた」

 第四ステージのゾンビが一気に押し寄せるところで負けてしまった。リロード中に何十人ものゾンビが一気に攻撃してきたら倒し切るのは無理だ。

 終わり横を見ると目をつぶっている。

「おい、双葉終わったぞ」

「あ、終わった〜おつかれー」

 あくびをしながら話し出す。ガッツリ寝ていたようだな。

「これは怖くなかったか?」

「まぁね。結局作り物だから。でもアニメーションってだけあって遊園地にある人形ばかりのお化け屋敷系よりは面白かった」

 こいつは椎崎と同行させるのはまずいだろうな。双葉が誘う。否定したいが彼女におくれをとれない椎崎は誘いにのる。あとはまぁ目に見えた結果になりそうだな。


 

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