第24話 キャッチャー
「よーしとるぞ!!」
100円玉を五枚入れる。これえボーナス一回分増えて六回プレイになった。これをみるにも双葉がどれほど本気でこのぬいぐるみを欲しがっているのかがわかる。
「まずはど真ん中だ!」
レバーをうごかすぬいぐるみの真上に狙いを定める。
「いけーー!!」
ボタンをおす。ぬいぐるみのおなかの部分に落ち三本のアームでしっかりとぬいぐるみをつかむ。
「これいっかいでとれるんじゃない!!」
すごくテンションがあがる。一番上でとまる。そして穴の方に向かう。だんだんとぬいぐるみが落ち始める。そして途中ではなしてしまった。
「おしいなーあと少しなのに」
そしてまた、レバーを動かす。またど真ん中だ。
「お前それじゃ取れないぞ」
助言をした。
「大丈夫もう目の前だし」
助言を無視しそのままド真ん中に落とす。
「これで!!」
また途中で離れた。今度は穴の近くの透明なしきりにあたった。このぬいぐるみは丸い。そのためそのまま転がりはじにいく。
「これずるくない!」
「ずるくない。よくあることだ」
「これとれないじゃん」
「少しやらせろ」
「ぜったいとってね!」
期待をされるのは困る。得意ではない。必ずとれる保証はない。機械の忖度でとれるようになるのをまつしかないのだ。とりあえず転がすか。
アームの一つがぬいぐるみに当たるギリギリのところに狙う。
「なにやってるのもてないよ!!」
裾をつかまれ腕を揺らされる。
「これでいい」
「とれなかったらお金返してね!」
「わかったから」
アームがおちる。ぬいぐるみギリギリアームが当たらないところで止まる。
そしてアームがぬいぐるみを転がした。
「すごい!!もう近くだよ!!りんくんうますぎ」
たまたまだし。特に技術てきなことではない。
あとは天に祈るだけだな。
今度は真ん中を狙う。
「もう真ん中でいいの?」
先ほどのスーパープレイで俺のすごさを痛感したようであきらかに態度が違っている。
ボタンをおす。
アームがぬいぐるみを使む。あきらかにさっきとぬいぐるみの入り方がちがう。これはいったな。
「持ち上がった」
絶対途中では落とさないという執念を感じるアームだ。
「あと少し」
そしてぬいぐるみが落ちた。
「やったーー!!!!」
体をゆさぶられる。
「すごいよりんくん!うますぎる!!」
奇跡に奇跡を重ねた結果神のような存在になった俺。
「ほんとにありがとう」
「とってあれだがどこがいいんだ?」
「いいんだよ。この人気のなさそうなところが」
これを好きな人はめずらしいみたいな不思議な存在になりたいってことだろうか。彼女のぬいぐるみに見る目は愛を感じるがそれはかわいいからなどの好む意味とは少し違う気がする。
「今度はあれやろ!!」
そして連れまわされるのであった。
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