第17話 屈辱
「では、私は商店街回ってから帰るので」
放課後。双葉とは途中の商店街で別れた。
だが、俺には家に帰るまで一緒になるやつがいた。
「やっとですか」
商店街近くの公園で座って待っている少女。
「またせたな」
椎崎である。話があるから一緒に帰りたいと伝えてきた。それも双葉にバレないよう合流タイミングは俺に合わせると伝えていた。幸い今回は用事が双葉にあったため分かれるタイミングを椎崎に伝えていた。
「ではいきますか。あなたの家でいいですか?」
「なにがだ?」
「夕食です。結局あの子のせいで全然話せなかったので。ここからじゃほとんど話せず家に着くので」
遊園地や学校に見せる笑顔はなくまた感情のない状態。こうなるとほんとにどう思ってるのかよめない。
「わかった」
そこからは沈黙のまま家にむかった。必要以外の会話を俺とはしないようだな。
家に着くとすぐさまキッチンに行きパスタをゆでだす。そして冷蔵庫から食材をとりフライパンで炒め始める。
「ナポリタンでいいですか?」
7割型完成している状態で料理の確認をしてくる。
「大丈夫」
「それで、あの人とは仲良くしないほうがいいですよ」
料理の途中で本題に入ったようだな。やはり双葉のことか。っま初めてどうどうとふられた相手だし無理もないよな。
「嫉妬か?」
「どちらかといえば私のブランドをケガしたので屈辱ですかね」
「お前なら気にしないと思ったがな。現に俺もお前のブランドをケガしてるぞ」
今のおれが休んで椎崎が動いている光景見せたらクラスの連中に確実にギルティされる。
「り、倫太郎君はノーカンです」
「意味が分からん」
「あなたはもっとコミュニケーション能力をつけてください。今のままではどんなにケガしてもはじける自信があります」
今の俺の汚し方では傷どころか少しの汚れもつかないらしい。洗浄もしないですんでよかったですね。
「興味ない」
「そうですか。あなたは私のすごさを気にしてませんよね」
「当たり前だ」
「なら私のすごさをわからせてやります。明日から毎日夜を作ります。あなたのコミュ力の向上のためと私のレパートリーを上げるためです」
何もしなくても飯が提供される。俺としては願ったりかなったりだ。椎崎のほうはプラスになるところが見当たらないが本人がいいのであれば問題ないか。
「お前がそれでいいなら。双葉に関してはしばらく様子見させろ」
「…腑に落ちませんが仕方ないですね。さ、夕飯にしますか」
相変わらずおいしそうなにおいを漂わせる料理を作るものだ。
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