第4話 付きまとう少女
たまに感じることがある。学校に行くのがめんどくさいと。授業日数的に休んでも問題ない。だったら休んでもよいではないかと感じる。クラスの連中もそのほうが嬉しいだろうし。よし今日は休もう。さぼってゆっくりするとしよう。
ピーンポーン
こんな朝早くに誰だよ。居留守だ。
ピーンポーン
ピンポン。ピンポン。
何度も何度も連打してくる。近所迷惑だろうが。
「誰だよ!!」
扉を開けると目の前にいるのは制服姿の美咲だった。美咲とは料理を食べさせてもらって以来、会話どころか学校以外で出会うことがなかった。
「どうも」
軽くお辞儀をしてくる。
「なんのようだ」
「学校です」
その人のことに驚いてしまった。わざわざ呼びに来たということか。
「今日は休む」
だが今日の俺には学校に行く気がない。
「なんでですか?」
学校にいくのは普通だと問いかけてるように聞こえる。
「お前には関係ないだろ」
「ないです」
ですよね。だとしても何かしら理由を持ってくれ。
「ならなんで呼びに来てんだよ」
「あなたがなかなか外に出ないので。タイミング一緒で誰かに見られためんどうなことになると思うので。いつもはあなたが家を出てから登校するようにしてます」
あ、でもちゃんと考えてはいるようですね。
「それで?」
「?」
「俺が学校に行かなければ好都合だろ」
「…それは私的要因です。あなたが学校をさぼろうと分かった以上、だまってはおけません」
「この優等生目」
彼女のこういうところは正直感心してしまう。俺みたいなやつが学校行こうが全く関係のないことだ。プラスにならないことを彼女はやろうとしているのだ。
「待ってるので準備してください」
「先行けよ」
「さぼると悪いので。私が遅れた場合どうなるでしょうね」
もっと小悪魔系の顔を見せてきたらいいんだが真顔で言われるとほんとに何されるかわかんなくてこえー。
「わったまってろ」
遅らせるわけにはいかないしいそいで準備をした。
「ほら、いくぞ」
「健太郎君はいつも通りで学校行ってください。私は遠回りするので」
「それならいつもと違うルートで俺が行く。どうせお前を監視してるやつがいるから違和感覚えさせるだろ」
「それもそうですね。盲点でした。では、あちらの通りからいってください。そちらの方であればだれとも会わず行けると思います」
「わかった」
しっかりとルールも把握してやがる。しかも遠回りの中で1番最短の抜け道も使っている。
「おまえ、わざとだろ」
「・・・遅刻するんでもういきますか」
一瞬黙り込んだ。図星のようだな。もし俺と一緒になったときに時間ずらすために避けたってことにしておいてやるか。
「わかった」
「ではまた学校で」
学校では絶対会話しないだろうが。
俺は彼女の人気によって縛られてしまったようだ。
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