第2話 入学式

僕は逃げる様に立花さんから離れクラスへ急いだ——

扉を開けるともう既にたくさんのクラスの人が何人も居た。僕は指定の席に座り、横の席にいる人を見る。

「……!!」

眼鏡を掛けているがとても容姿が良くまさに僕の好きな顔をしていた。

「あの。」と思わず声を掛けると

「ひえっ!?なっ、何ですか!?」とやたらにテンションが高い。「今日からよろしくね。

えっと名前聞いてもいい?僕は坂場或斗。」と、自己紹介をすると、「はっはい…!私の名前は花園咲夜(はなぞの さくや)です!」とお名前もとても美しい。

「いきなりで悪いんだけど…友達になってくれない?」僕はこんな可愛い友達がいるのであれば将来とても楽しいだろうなとそう言った。

「えっ?私とお友達になってくれるんですか!?」とあちらもとても喜んでいる様子。

「うん!よろしくね。咲夜さん」

「は、はい!こちらこそ!坂場さん!」とても嬉しい。初っ端からこんな可愛い子とお友達になれるなんて!とウキウキしている所に担任の先生がやってきた。

「はい、みなさんおはようございます。私の名前は教樹四太郎(きょうじゅ したろう)です。」独特な名前だなぁと思いつつ先生の引率により体育館で入学式が始まる。校長先生がマイクを使い

「はい、新学年の皆様ご入学おめでとう御座います。こちら側も日々皆様を楽しませる為励んでいこうと思います。ですのでまず、私から1つお話をさせて頂きます。最近暖かくなってきましたが——」そこから約1時間近く喋っていた。僕の周りは大半寝ていて、正直僕も眠い。だが、寝るのは良くないと太ももをつねりつつ話を聞いている。

「でして、ここからの世界の終末へはドンドンと近づいていて—-」

(あれ?何の話してんだこの校長。なんで最近暖かいという話から世界の終末になってんだ?)もう眠気が頭を混乱させる。

「と言うことでもう1時間も経ってしまったので一旦私のお話は終わろうかなぁ。」やっと終わった。長すぎる。時が進むごとに、人の聞く姿勢はは悪くなる。校長先生は人の心理を知らないのか。と思いつつ、長い長い入学式は幕を閉じる。

「あぁ…校長の話全く聞いてなかったわ笑」

「それなー笑」「ここの校長外れだなー笑」

「あーね笑」クラスの会話が続く中咲夜さんが1人でクラスに帰ろうとしている。

「咲夜さん!」と声を掛けると少しビクッとし、こちらを振り返る。「坂場さん。」と、目の下は涙が溢れんばかりだ。

「え!?大丈夫?」と心配をすると、

「欠伸が…笑」目を擦る所も可愛い。

「校長先生の話長かったもんね笑」と軽く返す。

「はい笑ちょっと眠ってしまいました。」

「僕は気合いで耐えてたよー笑」

(あぁ幸せだー!!)こんな平凡な会話もとても楽しい。でも少し気になった事があるので聞いてみる。

「さっきさ、クラスの人がこの高校はいいからなぁ. ..って言ってたんだけど何か特化で良いものってあったっけ?」と聞いてみるが

「え!?あっ…//分かりません…//」何故か頬を紅潮させ言う。(何か知ってるんだろうな…)と思うも深くは聞かない。

「そうなんだーなんだろう」と話を逸らす。咲夜さんも心なしかホッとした顔をしている。だけど後に知ることになる。この高校の特化した所というのを…

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