第8話 憎しみ
次の日はあかりだけが家の前で待っていた。少し恥ずかしくて目を合わせられない。そんな調子で歩いていると後ろに沙奈がいることに気づいた。僕は少し気まずさを覚え、気づかないふりをした。そのまま学校についた。僕は今日もいじめられるけどもう大丈夫。あかりがいてくれるから。なんて考えていた。でもいじめに沙奈も加わっいたのだ。沙奈は憎しみに溢れた顔をしている。沙奈は僕とあかりをにらみつける。そして僕を呼び出す。「なんで昨日来なかったの?私手紙で言ったよね」沙奈は怒った口調で言う。僕はなにも言えなかった。すると沙奈はさらに追い打ちをかけてくる。「聞いてんの?なに黙ってんの」こんな沙奈は見たことがない。「えっと…」僕がつぶやくと「ハッキリしてよ!」沙奈が憎しみと悔しさで今にも泣きそうだった。その様子にあかりが気づいてよってくる。あかりが声をかけようとしたとき沙奈は大きく手を振り上げあかりにビンタを一発食らわせた。その瞬間にクラスが静まり返る。沙奈もあかりも泣き出してしまった。泣きたいのは僕の方なのに…。事情を知らないクラスメイトはみんな僕のことを冷ややかな目で見ている。どうしよう。「これは僕のせいなのか…」考えてしまう。でもその静寂を破ったのが沙奈だった。「あかりもあおいも大嫌い」そんな言葉を吐き捨てて沙奈は教室から出ていった。あかりの方を見るとほっぺたが真っ赤に腫れ上がっていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます