第8話 憎しみ

次の日はあかりだけが家の前で待っていた。少し恥ずかしくて目を合わせられない。そんな調子で歩いていると後ろに沙奈がいることに気づいた。僕は少し気まずさを覚え、気づかないふりをした。そのまま学校についた。僕は今日もいじめられるけどもう大丈夫。あかりがいてくれるから。なんて考えていた。でもいじめに沙奈も加わっいたのだ。沙奈は憎しみに溢れた顔をしている。沙奈は僕とあかりをにらみつける。そして僕を呼び出す。「なんで昨日来なかったの?私手紙で言ったよね」沙奈は怒った口調で言う。僕はなにも言えなかった。すると沙奈はさらに追い打ちをかけてくる。「聞いてんの?なに黙ってんの」こんな沙奈は見たことがない。「えっと…」僕がつぶやくと「ハッキリしてよ!」沙奈が憎しみと悔しさで今にも泣きそうだった。その様子にあかりが気づいてよってくる。あかりが声をかけようとしたとき沙奈は大きく手を振り上げあかりにビンタを一発食らわせた。その瞬間にクラスが静まり返る。沙奈もあかりも泣き出してしまった。泣きたいのは僕の方なのに…。事情を知らないクラスメイトはみんな僕のことを冷ややかな目で見ている。どうしよう。「これは僕のせいなのか…」考えてしまう。でもその静寂を破ったのが沙奈だった。「あかりもあおいも大嫌い」そんな言葉を吐き捨てて沙奈は教室から出ていった。あかりの方を見るとほっぺたが真っ赤に腫れ上がっていた。

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