第16話 『16 女王シルバーナも燃やす』
『16 女王シルバーナも燃やす』
「すみませんじゃない! 自分がやったことの重大さがシュネルはわかれ!」
「そうだぞ、シュネル、キミは魔法でまたもやってしまったんだ!!」
「獄火砲です」
「獄火砲!! 獄火砲っていったら最上位の極大魔法の一つ。核熱炎と比較しても劣らないくらいの極大魔法だぞ!!!!」
「すみません、タイガー女3獣士を飛ばしてしまって。本当はもっと静かな魔法かなと」
「違うよ、違うよ。謝る必要はない。むしろ褒めているんだ。タイガー女3獣士だけじゃない、女王シルバーナも一緒にぶっ飛ばしてしまったんだ」
「えええええ!! 俺の魔法でですか?」
剣士リデルから説明されて驚く。
タイガー女3獣士だけを狙って放ったはずだが、なんと女王シルバーナにも命中してしまい、偶然ではあるが飛んで行って、壁に激突していた。
女王シルバーナは燃えていて立ち上がれない状態に。
俺がタイガー女3獣士と女王シルバーナも倒してしまったわけか。
やり過ぎた感はあるな。
まさかこんな結果になるとは。
「ううううう、この野郎、熱い、あ、あつ、熱い」
「ファイト団長も燃えてますけど、まさか俺が燃やして?」
「そうだよ、女王シルバーナと一緒に燃やした。しかも勇者クリシスもな。ほれ見ろよ、勇者クリシスも燃えていて動かないだろう。シュネルの獄火砲で聖騎士ガナドルもみんな燃やして倒れている」
「結果的にはワータイガー族からの驚異はなくなったので良いとする。しかし暗部団のやり方ではなかったのは、派手過ぎるというか、これでは暗部ではないだろうに」
「はい、目立ってますものね。騎士団とか冒険者がみんな俺のことを化け物みたいに見てます」
全員の視線が俺に集まるのを感じる。
まるで俺が魔王みたいな風に思っているのか。
そんな風な視線だった。
結果は王都は救われてワータイガー族は敗北で終わった。
ワータイガー族は魔族の大軍が来ているのを知り、王都が危機になるのを知っていた。
魔族と人族が殺し合って弱っていると思い、王都に攻めてきたらしいが、その情報は確実ではなかった。
俺の核熱炎で魔族は全滅していて、王都は無傷だったのを知らなかったのだ。
そして俺のファイア(弱)魔法についても知らなかったのが敗北の原因だろう。
俺達はその後は静かに戦場から消えて、飲食店の地下の本部に帰った。
女王シルバーナとタイガー女3獣士も連れて。
気絶しているのであった。
気絶状態の場合は経験値は入らないと言われることからレベルアップはなかった。
「それにしても獄火砲を使うとはな、予想もしてなかったよ」
「核熱炎はあまりにも範囲が広いし強いので王都の街が燃えてしまう。それで別の魔術式にしたんです。獄火砲なら前に魔術式を見たことがあって、それで参考にしました」
「バカー----、獄火砲は核熱炎とも並ぶ強大な魔法であり、使える魔術師は確認されていないとされる。つまりは超レアな魔法だ。女王シルバーナもふっ飛んで討伐されたのは当然だった」
「今は気絶してますけど、どうしますか?」
「とりあえずエド王弟様のところに連れて行く。結果も伝えるし。それにシュネルも紹介していないので紹介しようと思う」
「エド? 王弟様って、まさかフライ国王様の実の弟ですよね」
「弟です。彼が暗部団の資金を出しているんだ。もちろんフライ国王も知っているとされるが、国王の兄と弟は意見が合わないことでも有名。国王は暗部団をよく思っていないだろう」
「それで闇に隠れて行動していたのですか」
「そうです。まあ、目的は国を守ることなので同じです。それでは城に向かう」
ビラータ団長から城に行くようにと決まる。
エド王弟様に会うためだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます