第12話 『12 ワータイガー族が迫る』

『12 ワータイガー族が迫る』


 俺は今日は暗部団の地下室に来ていた。

 みんな揃っていて、自由に遊んでいる。

 地下室の上は飲食店である。

 マギラスが作ったコメ料理を食べていた。

 俺もご馳走になっていて、とても美味しい。

 まぜコメかと言うと、ビラータ団長はコメ料理が好きだからというのが理由だ。

 コメ料理の腕は一流である店主のマギラスが地下に降りてきて、


「ビラータ団長、緊急の情報だ。ワータイガー族が王都に迫っていると」


 ワータイガー族?

 ワータイガー族と言えば俺も知っている。


「ワータイガー族がか。魔族の次はワータイガー族か。直ぐに行くしかないな団長」


「なぜ急にワータイガー族が来たのか。魔族とも仲が悪いというが、その魔族と会う可能性があるのに」


「マギラスが作ったコメ料理は最高だよ」


「ありがとう団長」


「シュネルも行く準備だぞ」


「行きます」


 前回と同じくビラータ団長と剣士リデル、魔術師ルフィーシャと俺の4人が地上に向かう。

 俺は騎士団にいた時にワータイガー族は見たことはあった。

 強い印象であるので緊張感が走る。

 地上に出てから団長の後を追う。

 遅れないように急ぐ。


「ところでシュネルはワータイガー族は見たことはあるかい?」


「あります。とても強力な種族なのは覚えています」


 移動しつつビラータ団長と会話。


「先にシュネルには教えておくが、とても危険な種族なのは正しい。しかもワータイガー族には女王シルバーナがいる。シルバーナが来るようなら、最大限の危険レベル。昨日来た魔族との強さは違う。世界でも有数の危険指定される」


「わかりました」


 女王シルバーナは俺の知らない情報だった。

 種族を従える王ということだろう。

 女王が来ているかは、現地に行って判明するのだな。

 危険指定と聞いて、緊張感が増した。


「あれだな。ワータイガー族と冒険者が戦闘している。我らも参加するが、いつもと同じく陰から攻撃する」


「はい」


 冒険者と騎士団もいた。

 到着したら、ワータイガー族と騎士団や冒険者が戦闘していてケガ人が出ていた。

 後方支援の人が治癒している。

 俺達、暗部団は後方の方から目立たない位置に移動。

 ワータイガー族は以前に見たのと同じだった。

 姿は人族と違いは尾が生えていること。

 長く伸びた尾があるのが特徴。


「シュネルに説明しておくぞ。ワータイガー族は人族よりも速い。とても動きが速くて、腕力もある。長く伸びた爪で防具も引き裂く。爪で攻撃されたら死ぬぞ」


「爪には気を付けます」


 団長から説明を受ける。

 死にたくはないけど、それ以上にやる気が勝る。

 王都の住民を守りたいという気持ちがあるから。


「おおおおお! さすがファイト団長だ。強い!」


「ファイト団長、ファイト団長、ファイト団長!!」


 住民から烈々な声援を受けるのは、俺の元所属していたファイト団長だ。

 いつもながら人気は凄い。

 住民からは勇者クリシスと並ぶ人気なのは、誰もが認めるところ。

 そのファイト団長が攻撃をする。


「烈火球を受けろ、獣よ。人族の強さを思い知らせてやろう!!」


 烈火球はファイト団長の得意の火魔法。

 上位魔法であるから、ワータイガー族に的中。 相当なダメージを与えた。

 やはり、凄い!

 ファイト団長が居れば、ワータイガー族も好きにはできない。


「おおおお!!!!!! 今度は勇者クリシスも来たぞ!!」


「最強の勇者クリシスが来れば安心だ! ワータイガーなんて怖くない!」


 次は勇者クリシスも。

 圧倒的な存在感。

 神々しいと言える姿。

 人族の憧れの人。

 俺も何度も勇者クリシスには憧れた。

 ワータイガー族に剣を振るう。

 まるで神が降りてきたかのような戦いぶりだった。

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