第8話 『8 暗部団の履歴』

『8 暗部団の履歴』


「そういうルフィーシャだって危険でしょ」


「そうね、シュネルと同じく私は魔術師。しかし闇魔法を使う」


「見ました。初めて見ました。騎士団にいる時も上位の魔術師は多くいましたが、その上位の魔術師でも見たことのない魔術でした。普通は人族は魔剣と同じで闇魔法は使えないと聞いてますが」


「使えないわね。世界にいる魔術師でも闇魔法が使えるのは私だけ。なぜ使えるかは理由があって、私は魔族の大陸で育ったのよ。それで周りは魔族しかいない環境で素だった。魔王も知っている。だから魔族が使う闇魔法を習得できた。普通は使えないし、使うと精神が狂ってしまうのよ」


「ただし闇魔法は最強の魔法でもあるけど、弱点もあってそのおぞましい魔法から即死させる魔法もある。ルフィーシャが魔法を使うと周囲の人族を即死させたりしていた。もちろん蘇生アイテムで蘇生させたらしいけど。だからルフィーシャも冒険者パーティーには入れない危険人物扱いなわけよ」


「即死!! 俺は殺さないでください」


「私の言うことを聞かないと、即死させちゃうぞ」


「や、やめて~~~」


 ルフィーシャが接近すると、強烈な胸が俺の目の前に来た。

 リデルと比較しても負けない胸だった。

 触らない方がいいだろう。

 下手に触ると即死だろうからな。

 ただ世界には魔族の大陸があり、人族は入りこむのは容易ではない地域がある。

 ルフィーシャがなぜか魔族の地域で育ったらしいのが闇魔法の理由だったのは納得はした。


「ビラータ団長だって危険でしょう。私よりもね。だって勇者パーティーを追放されたんだもの」


「えええええ!! あの勇者パーティーって、勇者クリシスですか?」


 勇者パーティーって言ったら勇者クリシスがいるけど。


「その勇者クリシスよ。団長は勇者クリシスのパーティーを追放された。危険すぎるという理由で」


「危険すぎるって、何をしたら危険なんですか?」


 ビラータ団長に直接聞いてみると。


「勇者クリシスと一緒のパーティーにいた。過去の話ですが、勇者クリシスとケンカして追放になった。原因はご飯だ」


「えっご飯?」


「うん、私はご飯はコメと決めているんだよ。それなのにクリシスの奴はパーティーでの食事でパンを用意したんだ。それでケンカになって追放された」


「えええええ!! それだけ!!」


 たったコメかパンだけでケンカになったのかよ。

 あきれるというか、どうでもいいというか。


「それだけとは何だ。私にとってはとても重要なことだぞ。クリシスとは大ゲンカして王都の街を破壊してしまったが」


「街を破壊したのですか!!」


 マジかよ、聞いてあきれるぞ。


「団長はクリシスから追放された。国王が怒ったくらいに騒ぎになった。その後に団長は暗部団を創設して今のメンバーが集められた。受付嬢ユミンと店主マギラスもね」


「俺はとんでもない団にきたな」


 やはり危険なメンバーばかりらしい。

 俺がいるのが変な気もするのは、みんなと俺は同じ扱いじゃないと思うから。

 どう考えても正確や能力が規格外過ぎる。

 勇者クリシスは今も王都にいて最強のパーティーと言われているので、ビラータ団長と勇者クリシスが遭遇したらどうなるのか。

 またケンカになることはないよな。

 2人とも良い大人なんだし、もうケンカは避けて欲しい。

 飲食店の地下室で、俺は暗部団に認められて、最初の仕事で大事件なことになった。

 今後はこのメンバーで仕事をする。

 邪魔にならないように頑張りたいところだ。

 地下室から宿に帰った。

 王都の街は静かだったけど、また魔族との戦いが始まるはず。

 戦いで突風を覚えたので、次からは風魔法も試したい。

 暗部団の構成はこうだ。



ビラータ団長 女

元勇者パーティー 追放

危険な思想 

どこにも所属できない



剣士リデル 女

元騎士団の剣士 解雇

魔剣を拾った

魔剣の呪いで味方も切りつける



魔術師ルフィーシャ 女 

闇魔法の使いで仲間に即死魔法

魔王とも繋がりがある

魔族国大陸で育つ



受付嬢 女

ユミン

冒険者ギルドを解雇




飲食店の店主 男 

マギラス

元冒険者

暗部の本部 飲食店の地下

諜報部員

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