第6話 『6 シュネルの最初の仕事』

『6 シュネルの最初の仕事』


 俺は戦場に来た。

 何だこれは、もう騎士団もいるし冒険者もいるけど、敵の魔族に圧倒されるよな。

 酷いな、この状況は。

 王都にまで魔族が入っちゃうぞ。

 ファイト団長がいてもダメなのかよ。

 魔族の数と強さに混乱した。

 しかしそうも言ってられないのは、すでに戦場だからだ。


「いいかいシュネル、我ら暗部団はこの魔族と戦う。リデルとルフィーシャも一緒に戦う。シュネルもファイア(弱)を使え」


「はい団長」


 ビラータ団長から戦いの命令。

 リデルとルフィーシャも魔族に向かった。

 俺も戦闘に遅れないように続く。

 魔術師ルフィーシャが魔法を使った。

 凄い魔法だ!

 敵の魔族が何十と一瞬で消えた。

 なにこれ?

 これが暗部団の本当の実力なのか。

 凄すぎる!!

 見たことない程にレベルが高い魔法の戦闘だ。

 ファイト団長と比較しても劣らないし、むしろ超えているんじゃない?

 恐ろしい程に身震いがした。

 ルフィーシャから危険な寒気を感じた。

 見てはいけないものを見た感覚だ。

 ルフィーシャの魔法を見て思った。


「私の魔法は闇魔法。本来なら闇魔法は禁術魔法。よって攻撃力は人族の領域を超えているのよ!」


 闇魔法を使うのか。

 だから凄まじいし、危険な感じがしたはずだ。

 闇魔法は人族は使えないし、使ってはいけないとされる。

 しかしルフィーシャは使っているけど、理由は知らない。

 だから冒険者パーティーには所属できないのかと思う。

 さらに剣士リデルも激闘した。


「ふふ、私の剣は魔剣。呪われた剣の使いに切れないものはない!」


 マジか、魔剣だったのかあの剣は!!

 魔剣は本来は人族は持ってはいけないとされて禁止されている。

 それはあまりにも攻撃力はあるけど、狂ってしまい仲間の人族までも被害が出るからとされた。

 だから人族は魔剣は持てないのに、リデルは振るっている。

 強い、これが剣士リデルの実力。

 俺と決闘した時は明らかに手加減していたんだな。

 強力な剣術が魔族を襲う。

 騎士団にいた時は暗部団のことは知らなかったのはなぜかな。

 これだけの強さなら、もっと有名であるはずだし、英雄扱いされるとおもうのに。

 しかし魔剣のリデルとルフィーシャの闇魔法があっても現状は苦しい。

 それだけ戦況が悪い。

 俺も魔法でファイア(弱)を使った。


「大火!!」


 リデルと戦った時と同じようにファイア(弱)で書き換えたけど、効果は足りなかった。

 魔族は全然元気だ。

 だめだ、効果が弱い。

 今の大火ではなくてもっと強い魔法にしたい。

 そこでファイア(弱)で書き換えるのを改良した。

 もっと強くなるように魔術式を燃やして書いた。

 魔術式は多少は構文を勉強したことがあったので、勉強した知識で魔術式を強化する。


「炎上よりも強くなれ!!!」


 炎上は大火魔法の上位魔法。

 その炎上よりも上位魔法にしたかった。

 やってみたところ、俺でも信じられない魔法陣が見えた。

 魔法陣の構文には核熱炎とあった。

 えっ?

 核熱炎て、なんかヤバそうな感じするけどいいかな。

 俺が見た魔法陣は核熱炎魔法の魔法陣となっていた。

 どんな魔法かは使ってみればわかるけど、知らない魔法だから、少し臆病になった。

 でもやるしかない。

 俺は騎士団から暗部団に入団したのだ。

 ここで成果を出したい気持ちがあった。

 核熱炎の詠唱を開始。

 放った。

 信じられない光景だった。

 自分でも真じられないくらいに巨大な炎。

 そんな炎が魔族の大軍に落ちた。


 ドーーーーーーーーーーー--ー-------------------------------------------------------------ー----------------------ン!!


 えっえええええ!!

 大爆発。

 太陽が落ちたような光景で、魔族が一瞬で燃えてしまったのだ。


「おいおい、とんでもねえ魔法を俺は使ったよな」

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