第5話 『5 騎士団と勇者パーティー』

『5 騎士団と勇者パーティー』


 シュネルが暗部の本部から地上に出て行く前。

 魔族が王都に攻めて来た。

 騎士団団長であるファイトは知らせを聞く。


「ファイト団長、魔族が来ました。それも大軍団です!!」


「来たか魔族よ。俺が粉々にしてやろう」


「ふふ、もう邪魔なシュネルはいませんから、我ら騎士団は無敵です。シュネルがいたから足を引っ張っていたけどもう解雇していない。解雇は成功です」


 聖騎士ガナドルは笑いながら言う。

 シュネルを解雇して喜んでいる。

 使えない団員を解雇して活躍すれば、国王からも祝福されるからだ。

 シュネルはまるで役に立たないので解雇して当然だった。

 ガナドルとファイト団長は戦場に向かった。

 今回は厳しい戦いになると見てわかる程に魔族の数が多かった。


「やるぞおおお、みんな騎士団の強さを見せろおおお!!!!」


「おおおおおおおおおおおおおおお!」


 ファイト団長を筆頭に騎士団は魔族とぶつかる。

 数では騎士団は負けていないが、魔族は強かった。

 前回は圧倒しが、今回は苦戦する。

 騎士団の騎士が魔族に切られる。

 流血する騎士が出る。

 魔族も流血するけど、腕力が強い。

 盾ごと切ってしまう。


「ファイト団長!! 魔族が強いです。押されていきます!」


「たかが魔族に押されるな。ガナドルよ、攻めよ!」


「はい団長。でもこれヤバいですよ。敵が多すぎます」


「確かに多いな」


 聖騎士ガナドルと相談する。

 ファイト団長も苦戦するのが見えた。

 自分でも戦うけど、きりがない程に数が多いのである。

 副将とも呼べる聖騎士ガナドルが剣術を繰り出すも、少しの魔族を切るだけだった。

 ガナドルも厳しいなと思った。

 せっかくシュネルを解雇したのに、効果はでているはずだが、厳しかった。


「ファイトよ、どうしたんだ。ずいぶんと険しい顔だな」


「クリシスか、遅いぜ。勇者パーティーなら真っ先に軍団に行くべきだろうよ、早く行けよ」


「ちょっと別件があって遅れた。魔族が多いがこれは異常な数だな。勝てるか?」


 ファイト団長に話しかけたのは勇者パーティーであり勇者であるクリシス。

 彼は国内最強の冒険者として有名であった。

 かたや最強の騎士団の団長。

 勇者パーティーで最強の冒険者。

 ファイト団長以上の強さとも言われる。

 強さはお互いに認めあう程だった。

 だが最強の2人でさえこの状況は苦しい顔を作る。

 勇者クリシスが剣を振るう。

 凄まじい剣が走る。

 地面がさけ、魔族は一度に切られた。

 周囲にいた騎士団は勇者クリシスの剣にざわめく。

 さすが勇者だと。

 他にも王都の冒険者パーティーが参戦した。

 冒険者パーティーらは勇者クリシスの攻撃に、


「すげええ!! あれが勇者クリシスかよ。桁違いだぜ!!」


「勇者クリシスがいれば勝てるぞ!!」


 勇者クリシスの名前が響く。

 それだけ戦闘においては圧倒的な存在感を出したクリシス。

 しかしクリシスの顔は冴えないのは敵の数が多いだけでなくて、1匹の強さが強いことだった。

 たとえ勇者クリシスの勇者パーティーが来て、騎士団と一緒に戦力となっても、王都は攻められていた。

 時間とともに王都にも接近してきていて、この分だと王都が危険だとクリシスは思った。

 勢いが凄すぎて押さえられないのだ。


「このままだと、王都は制圧されるぞ。どうするか」


 見ると騎士団の団長ですら手こずっていて、戦力が足りないのが見て取れる。

 異常事態の状態。

 過去にもないほどの驚異が迫っている。

 勇者パーティーに期待する声も消えていき、冒険者が倒れる姿が多くなった。

 山のように冒険者が倒れる。

 シュネルがいる暗部団が出撃したのは、その時だった。

 すでに戦況が押されている状態だった。

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