第41話 天の岩屋
実はこの戦いの顛末は、意外にも記紀に記されている。それがオホクニヌシな国作りと葦原中国の平定、そして国譲りである。
この話は「古事記」上巻の最も重要な場面である。つまり天神の天上界の神話アマテラスの天の岩屋は神武東征の顛末、天孫降臨は崇神天皇の出雲征討の顛末を描いている。
このことは二つが天皇の歴史にとって特別であり、真実を神話に隠したことを示している。逆に言えば、都合が悪い真相は曲げたが他の豪族にも妥協して配慮をした結果、この配置になったのである。
この経緯をよく分かって真実をよみとくと国譲りの登場人物の本当の名前が見えてくる。オホクニヌシは卑弥呼、タケミナカタは卑弥呼と共同で統治していた兄弟王、タケミカヅチはヤマトの将軍、アマテラスはヤマトの指導者、ニギギは天皇家なのだ。オホクニヌシ(卑弥呼)は葦原中国の支配者だった。そこにアマテラス(ヤマトの指導者)が二度使者を送ったが失敗した。 ヤマトは三度目にタケミカヅチ(ヤマトの将軍)と軍隊を送った。タケミナカタ(出雲の共同王)は戦ったが、破れて信濃の諏訪湖まで逃げた。
そして追ってきたヤマトの将軍に降伏して、葦原中国(日本)を献上する。卑弥呼は国を譲ったあと宮殿を造ってもらい、それにこもる。この宮殿は、卑弥呼の隠居の場所が今の出雲大社である。
しかしその時代の出雲大社の社殿は、今より高く巨大であった。平安時代の高い建物の例に雲太、和ニ、京三という言葉がある。雲太は出雲大社、和ニは東大寺、京三は内裏である。つまり古代の出雲大社は、日本一高かったのだ。卑弥呼は隠居して権力は失ったが権威は保ち、日本の神々の長として残ることとなった。
だから出雲は、神々の国と呼ばれるようになったのだ。ヤマトは出雲を制圧して、日本を統一した。その時ヤマトは、天皇家に三種の神器を授けたとされる。
しかし鏡と剣の二種は、すでに持っている。残りの勾玉が手に入り、三つ揃ったことになる。
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